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二十五年前に購入した布団の買い替えと収納術

27年ぶりの引っ越しにともなう不要品整理。溜まりに溜まったものを処分し厳選するなかで、残したもの、そばに置いておきたいものとは。そして、来るべき七十代へ向けて、すること、しないこととは。
愛猫を見送り、ひとり暮らしとなった群ようこさんの、ささやかながらも豊かな日常時間をめぐるエッセイです。

版画/岩渕俊彦

第11回 二十五年前に購入した布団の買い替えと収納術

版画:岩渕俊彦
版画:岩渕俊彦

 二〇二二年の十二月は、二十二日に年内に渡す原稿はすべて書き終わったので、残りのおお晦日みそかまでの日にちを、部屋の片づけにあてようとがんばってみた。手始めに二十五年ほど前に購入した羽毛掛布団を何とかしようと、カバーをはずしあらためて点検した。気温差に対応できるように、夏に使う薄掛けも含めて、二枚の薄手、一枚の厚手の布団にそれぞれカバーを掛け、季節や室温に合わせて重ねて使っていたのだけれど、それらの布団が限界を迎えている気がしていたのだ。
 三枚の布団をよく見てみると、薄いほうの二枚はともかく、いちばん厚い布団の劣化が甚だしく、買い替えが必要だった。他の二枚は本体にはそれほど問題はなかったが、カバーの使い勝手がとても悪く、中で布団がよじれたり、薄手のせいか綿なのにすぐにしわだらけになったりと、見栄えがよくない。かといって合繊のものはいやだしなあと思いながら、インターネットで探してみたら、ホテル仕様のカバーがみつかった。これまで使っていたものよりは高かったが、縫製も丁寧で品質がよさそうだった。毎日かならず七時間は使うものだし、多少出費が増えても、快適なもののほうがいいと、カバーをすべてそれに替えることにした。
 今のクリーム色のカバーは、白は汚れが目立ちそうだからと選んだ色だった。しかし使っていくうちに、実際はそうではないのに、もとは白色のものが黄変したかのようにみえてきたので、今回は白、グレー、ローズ、紺の四色あるうち、清潔感のある白にした。値が張ることもあり、本来ならば三枚必要なのだが、とりあえず最低限必要な二枚分だけ購入した。
 問題は本体の布団である。羽毛布団のクリーニングについては、オーガニック洗剤で洗浄する店舗のDMが届いていたが、想像していたよりも高額だったので注文しなかった。古びた布団にそれだけの料金をかけ、新しい羽毛を足しても使い続けたほうがいいのか、それとも新しい布団を買ったほうがいいのかと悩んだ。しかしこの布団がだめになったら、羽毛のものを買うのはやめようと考えていたこともあり、新しい部屋に引っ越したことだし、これから先、新しいものを気持ちよく使っていこうと、納得できる価格の範囲内の布団を探した。念のためにアレルギー対応のもののほうが安心かもと、いろいろなサイトを見ていたら、羽毛は不使用で、今使っている布団よりもずっと安い値段で売られているのをみつけて購入した。布団だけではちょっと寒い日もあったので、他のサイトで毛布も新しく買った。

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群ようこ

むれ・ようこ●1954年東京都生まれ。日本大学藝術学部卒業。広告会社などを経て、78年「本の雑誌社」入社。84年にエッセイ『午前零時の玄米パン』で作家としてデビューし、同年に専業作家となる。小説に『無印結婚物語』などの<無印>シリーズ、『散歩するネコ れんげ荘物語』『今日はいい天気ですね。れんげ荘物語』などの<れんげ荘>シリーズ、『今日もお疲れさま パンとスープとネコ日和』などの<パンとスープとネコ日和>シリーズの他、『かもめ食堂』『また明日』、エッセイに『ゆるい生活』『欲と収納』『よれよれ肉体百科』『還暦着物日記』『この先には、何がある?』『じじばばのるつぼ』『きものが着たい』『たべる生活』『これで暮らす』『小福ときどき災難』『今日は、これをしました』『スマホになじんでおりません』『たりる生活』、評伝に『贅沢貧乏のマリア』『妖精と妖怪のあいだ 評伝・平林たい子』など著書多数。

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