2022.9.15
父親のアノ部分を見てしまった親友がつぶやいた驚愕のひとこと 第6回 服と全裸と父・サピエンス〜猫沢家の服コンプレックスを脱ぎ捨てる2022年、夏
水着一丁のムッシュがバゲットを抱えて
2022年9月現在、相変わらず私はパリで最低限のワードローブで暮らしている。仕事三昧でほとんどアパルトマンから出られなかった今年の夏は、毎日着心地の良いシンプルな素材のTシャツやタンクトップで過ごせて、むしろ気分がよかった。そしてパリは、クーラーが基本的にないこともあって、街行く人の格好も、本当に気楽なスタイルばかりだった。カニキュールと呼ばれる猛暑時には、水着一丁のムッシュがバゲットを抱えて歩いているし、パリジェンヌたちも90%がノーブラで、透けようが乳首が見えようが、誰もいやらしい目で見たりしない成熟した国、フランス。
移住がきっかけでやらざるを得なかった、ここまでの人生で最大の断捨離と、物質主義から解き放たれるフランスでのシンプルな暮らしにより、やっとこの歳で、私は猫沢家の服コンプレックスを脱ぎ捨てた。自分を誇張しない、肌の一部になるようないい素材の長く着られるものだけを、最低限、必要なだけ。そんな考えに辿り着いたのも、猫沢家の反面教師があったからに違いない。
ところでフランスには各地にヌーディスト・ビーチがあるから、もしも父がまだ生きていたら、南仏のコバルトブルーの海で、思う存分全裸を楽しんでもらえたのにな、と思う。
ヅラを股間に当てて、水際で大はしゃぎする父の姿がありありと目に浮かぶ。
次回は10月20日(木)公開予定です。どうぞお楽しみに!