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藤原綾「女フリーランス・バツイチ・子なし 42歳からのシングル移住」
バツイチ、シングル子なし、女40代、フリーランス。
編集者、ライターとして、公私ともに忙しく過ごしてきた。
それは楽しく刺激の多い日々……充実した毎日だと思う。
しかし。
このまま隣室との交流も薄い都会のマンションで、
これから私はどう生きるのか、そして、どう死ぬのか。
今の自分に必要なのは、地域コミュニティなのではないか……。
東京生まれ東京育ちが地方移住を思い立ち、鹿児島へ。
女の後半人生を掘り下げる、移住体験実録進行エッセイ。

仕事、生活費、災害対策……移住の前に考えなければならないこと ——経済アナリスト・森永卓郎さんに聞く

仕事が減っても生活を充実させることは、果たして夢物語なのか

 “四十の手習い”と合宿免許の申し込みを終え、改めて移住した場合、仕事をどうするか、生活はどう変わるのか考え始めました。
 リモートワークは広がってきているものの、じゃあ私が全く仕事で外出していないかというとそういうわけではありません。打ち合わせはZoomやTeamsに切り替わってきましたが、クライアントによっては会いたいという人もいるし、撮影が必要な取材もある。ファッションの仕事ではコーディネートや撮影で出かける。鹿児島に行ったら、そう簡単に東京に行けるわけでもないし、恐らくその手の仕事のオファーも減っていくでしょう。
 収入が落ちることを前提にすると、生活費を抑える必要がありますが、果たして地方で暮せば本当に生活費は下がるのでしょうか。地方での暮らしには車が必要だし、人口が少ない地域であることを考えれば保険料も上がりそうです。
 自分の豊かさを享受しながら、仕事を充実させて、生活を安定させる。ただの夢物語なら、何かを妥協しなければなりません。

 丁寧な暮らしがしたい、のんびりカフェを営みたい、都会生活に疲れた、自給自足的な生活がしたい……移住者が移住した理由は様々あると思いますが、私にはどれも当てはまらないような気がしました。都会生活に疲れたわけではなく、東京の変化によって今後疲れていくであろうという予測に基づいた、独り者のサバイブ術なのであります。
 同じような考えのもと移住した人はいないのだろうか――と考えた時、ふと経済アナリストの森永卓郎さんが頭に浮かびました。
 以前も書いたように、森永さんは格差の拡大について早々に警鐘を鳴らしていますし、著書を読むと、現在は所沢に住んでいて、博物館を管理しながら農業をやっている様子。経済について熱く議論していたかと思えば、バラエティ番組ではひょうきんな姿を披露し、何だかとても充実した生活を送っているように見えます。
 森永さんなら、現実的で的確なアドバイスをくれるのでないでしょうか。ここは仕事の特権を利用させてもらって、インタビューをするしかない! とオファーしたところ、すぐにご快諾のお返事をいただけました。
 森永さんが考える人間の豊かさとは何か、都会暮らしと地方暮らしの生活コストや共同体についてお話を伺ってみることにしました。

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森永卓郎

1957年生まれ。東京都出身。東京大学経済学部経済学科卒業後、日本専売公社、日本経済研究センター、経済企画庁総合計画局、三和総合研究所(現 三菱UFJリサーチ&コンサルティング)主席研究員等を経て、現在は獨協大学経済学部教授を務める。経済アナリストとして各種メディアで活躍するほか、バラエティ番組などにも登場し、お茶の間でも人気を博している。格差社会の弊害をいち早く指摘し、ワーキングプアの問題にも早くから警鐘を鳴らして注目を集めた。近著に、『森永卓郎の「マイクロ農業」のすすめ: 都会を飛びだし、「自産自消」で豊かに暮らす』、『相続地獄~残った家族が困らない終活入門~』などがある。

藤原綾

1978年東京生まれ。編集者・ライター。早稲田大学政治経済学部卒業後、某大手生命保険会社に就職するも、大企業の闇に触れて逃げるように宝島社に転職。ファッション誌の編集を経て2007年に独立し、ファッション、美容、ライフスタイル、アウトドア、文芸、ノンフィクション、写真集、機関紙……と、節操なく仕事を受けてきた結果、幅広い業界で編集・執筆活動を行うことに。近年もブランドムック『ANNA SUI COLLECTION BOOK』、雑誌『小学一年生』、漫画『ごろごろにゃんすけ』(村里つむぎ)、書籍『つくるひとびと』(秋山竜次/ロバート)、小説『海の怪』(鈴木光司)、カタログ『LAZY SUSAN』など、極端なノンジャンルで活動中。

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