よみタイ

10月5日発売! 寿木けい最新刊『土を編む日々』から作る、普段の献立

寿木けいさんの書籍『土を編む日々』が本日10月5日に発売されました!
Webサイト「よみタイ」大人気連載に書き下ろしを加え、季節をめぐるエッセイと32の野菜レシピをまとめた1冊です。

今回はその発売を記念した特別企画。
『土を編む日々』に登場するレシピを、寿木さんはどのような組み合わせや盛り付けで食卓に出しているのか、「寿木家の普段の献立」をご紹介いただきます。文章はもちろん、料理写真の撮影も寿木さんご本人によるものです。
書籍とあわせて、ぜひ参考にしてください!

 2019年に出版した拙著『いつものごはんは、きほんの10品あればいい』(小学館)では、10のレシピの型とその応用をマスターすることで、毎日の食事作りのストレスを減らしつつ、旬を味わうアイディアを提案しました。
 この本を書くきっかけになったのは、映えさせるためのレシピが氾濫していることが「作る人」をかえって不自由にしているのではないかという思いでした。
 加えて、料理を担う人たちが悩んでいるのは、今日の主菜をどうするかよりも、小さなおかずや汁物に何を作ったら良いかという「献立」であるという点も、さまざまな人の話を聞くなかで痛感していたことでした。
 
『土を編む日々』では、この“献立脳”からいったん離れ、四季に恵まれた国で料理をする楽しみに存分に浸ることにしました。この季節にはぜひこれを作ってみて欲しいという32のレシピとエッセイを紹介しています。
 32という数は、春夏秋冬の各季節に8つずつということで決めました。料理本一冊に掲載するレシピ数としては、少ないかもしれません。でも、ひとつのシーズンを3か月(約12週)として、8品くらいが現実的に作りやすい数の上限ではないでしょうか。

 このコラムでは、本に登場するレシピを使った、私の献立の実例を紹介します。

茄子のよごしから組み立てる、故郷を懐かしむ献立

 故郷・富山の郷土料理として掲載したのが、〈茄子のよごし〉です。茄子を茹でて余分な水分を追い出し、味噌で炒めたシンプルな野菜のおかずです。
 文中では「よごし」の由来となったいくつかの仮説が登場しますが、私が実体験から支持するのは「白いごはんを汚してでも食べたい」説。

炊きたてのごはんに、茄子のよごしをのせて。食欲のないときでもペロリと食べられてしまいます。
炊きたてのごはんに、茄子のよごしをのせて。食欲のないときでもペロリと食べられてしまいます。

 一度にたくさん作れば作るほどおいしいタイプのおかずですから、こうして蓋付きの磁器に入れて冷蔵庫に入れておけば、そのまま食卓に出せて便利です。

作りたてはもちろん、ひと晩経ってしんなり落ち着いたものもおいしいです。「夜越し」説もあるくらいですから。
作りたてはもちろん、ひと晩経ってしんなり落ち着いたものもおいしいです。「夜越し」説もあるくらいですから。

 ある日の献立はこんな感じ。
 茄子のよごしに合わせて、富山でもよく食べていたイカの煮物を作りました。焼き豆腐を出汁と醤油、味醂で煮て、イカを加えてさっと火を通します。仕上げに針生姜をたっぷりのせます。
 シャキシャキした歯応えが欲しくて、小松菜を使った和え物も作りました。『土を編む日々』でご紹介した生の小松菜を味わうサラダをアレンジして、生のマシュルームと一緒に練りごまで和えています。汁物はかぼちゃ。味噌を溶いて、みょうがをたっぷり散らしています。

緑、紫、オレンジ、薄紅、白。さまざまな色が並びました。献立に迷ったら、「あったらいいな」と思う色から起算して食材を選ぶのもおすすめです。
緑、紫、オレンジ、薄紅、白。さまざまな色が並びました。献立に迷ったら、「あったらいいな」と思う色から起算して食材を選ぶのもおすすめです。
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寿木けい

すずき・けい●富山県生まれ。早稲田大学卒業後、出版社で雑誌の編集者として働きつつ、執筆活動をはじめる。出版社退社後、暮らしや女性の生き方に関する連載を持つ。
2010年からTwitterで「きょうの140字ごはん」(@140words_recipe)を発信。フォロワーは現時点で12万人以上。現在、東京都内で夫と二人の子どもと暮らす。
著書にロングセラー『いつものごはんは、きほんの10品あればいい』、エッセイ集『閨と厨』、版を重ねている文庫版『わたしのごちそう365 レシピとよぶほどのものでもない』(河出書房新社)があり、いずれも話題となっている。

寿木けい公式サイト
https://www.keisuzuki.info/

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