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また100キロの大台にリバウンド⁉ 40代で美容と健康に目覚めたおじさんの1日ルーティンを初公開!

ドラマ化もされた『死にたい夜にかぎって』で鮮烈デビュー。作家としての夢をかなえた爪切男が、いま思うのは「いい感じのおじさん」になりたいということ。これまでまったく興味がなかったのに、ひょんなことから美容と健康に目覚め……。中年男性が本気で挑む美容と健康にまつわるエッセイ連載です。

前回は、猫背が気になり姿勢改善に挑戦してみた著者。
今回は、美容と健康生活を送っているはずなのに、また太ってしまった著者。改めて日々のルーティンをチェックし、対策を検討したようです。

(イラスト/山田参助)

第46回 愛の名のもとにダイエットに再挑戦!

(イラスト/山田参助)
(イラスト/山田参助)

 就寝前、午前三時の体重計は「95.5キロ」の数値を叩き出していた。

 しまった。
 太った。
 また太ってしまった。

最近の私、確かにふっくらしてきた。
最近の私、確かにふっくらしてきた。

 上の写真を見ていただければわかるように、最近の私、お腹がポッコリとして、体全体がふっくらと丸みを帯び始めている。
 付き合いの長い人には「お前はやっぱりそれぐらい太ってた方がいい。見ているこっちも安心するよ」と優しい言葉をかけてもらえるのだが、これは非常に由々しき事態である。
 
 この連載の主旨は「目標体重を達成しました!」とか「ほうれい線が消えました!」といった明確な結果を追い求めるものではない。
 ふとしたきっかけでセルフケアに目覚めた四十過ぎのおっさんが、さまざまな美容法や健康にいいとされるものを、試しては飽きてを繰り返す悲喜こもごもの日々を綴るエッセイなわけである。ダメならダメでまた自堕落な日々に戻ることもやむなし。それぐらいのゆるゆるな感じでやってきた。
 
 ところが、約二年近く連載を続けているうちに、私の心境にも若干の変化があった。
「もう少しだけ美しくなりたい……もう二度と太りたくない……」
 一生〝みにくいアヒルの子〟でいいと思っていた私が、こんな気持ちになるなんて。白鳥になれなくてもいい。〝ちょっとだけマシなアヒル〟でいたい。

 ということでダイエットである。
 当面の目標は85キロ、せめて90キロをオーバーしないように心がけたい。
 目標をクリアしても標準体重を30キロも上回る立派な肥満体なわけだが、私にはこれぐらいの体重がちょうどいい。あまり痩せすぎても貧相な見た目になるので、これ以上の減量は必要ないのだ。
 
 今の私に必要なこと。それは現状を冷静に把握することだ。どんなルーティンで一日を過ごしているのかを書き起こしてみることで問題点が明らかになるに違いない。
 とはいえ、ただ書き出すのも味気ないので、戒めの意味も込め、合間合間で一番太っていた頃の写真を掲載します。
 
 まずは起床時にしていることから。

・早朝5時に起床。起床後すぐ、寝覚めの一杯としてルイボスティーを飲む。
・糸ようじや歯間ブラシを使い丁寧に歯磨き。
・血圧計で血圧測定。最近また数値が上がってきている。
・洗顔と一緒にサイナスリンスで鼻うがい。鼻うがいを始めてから鼻づまりに悩まされることが少なくなった。
・洗顔後は化粧水、乳液でお手入れ。
・バナナと自作のヨーグルトなどで朝食は控えめに済ます。
・実は最近、週5で会社勤めを始めた。起床してから出社するまでのわずかな時間で原稿仕事に取り組む。起き抜けの方が集中力が高まるようで、とにかく仕事が捗る。
・出社前にスプレータイプの日焼け止めを顔と体に噴射。坊主頭の私は頭皮にも噴射。
・仕事前の気付けの一杯に養命酒をゴクリ。

太り過ぎていると目つきも悪くなる。人間を信じられなくなったアザラシのような顔をしている。
太り過ぎていると目つきも悪くなる。人間を信じられなくなったアザラシのような顔をしている。

 昼、職場にて。

・こまめな水分補給を心がける。持参した水筒の中に入っている自作のルイボスティーをごくごく飲む。
・家から徒歩五分の距離に職場があるので、昼食は基本的に自宅に戻って取る。簡単な運動も兼ねて早歩きで帰宅。同棲中の恋人が作り置きしてくれたご飯を食べる。野菜やキノコなど栄養のバランスを考えたメニューが毎回用意されていて大助かり。

原稿仕事をしているのに競馬の予想をしている人に見えてしまう。
原稿仕事をしているのに競馬の予想をしている人に見えてしまう。

 仕事が終わってからはこんな感じ。

・週三ぐらいの頻度でチョコザップに足を運ぶ。運動よりもコワーキングスペースを使っての書き仕事だけしたり、無料のプロテインドリンクを飲むだけの日もあったりと最近サボりがち。
・ドラッグストアに寄り道していろいろと物色。コンビニに寄って、買い食いして帰ることはほぼなくなった。
・帰宅後すぐに食事、昼メシと同じく彼女が作ってくれた愛情たっぷりの晩メシをペロリ。
・食後に家事をひととおり終わらせ瞑想タイムへ。そのまま寝てしまうことも多いため「お前のは瞑想ではなくてただの居眠りだ」と恋人によく叱られる。

散歩をしているだけなのに、空き巣に入る家を物色しているように見えてしまう。
散歩をしているだけなのに、空き巣に入る家を物色しているように見えてしまう。
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爪切男

つめ・きりお●作家。1979年生まれ、香川県出身。
2018年『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)にてデビュー。同作が賀来賢人主演でドラマ化されるなど話題を集める。21年2月から『もはや僕は人間じゃない』(中央公論新社)、『働きアリに花束を』(扶桑社)、『クラスメイトの女子、全員好きでした』(集英社)とデビュー2作目から3社横断3か月連続刊行され話題に。
最新エッセイ『きょうも延長ナリ』(扶桑社)発売中!

公式ツイッター@tsumekiriman
(撮影/江森丈晃)

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