よみタイ

畠山理仁「アラフォーから楽しむ選挙漫遊記」

【絶対観るべき動画つき!】14戦14勝無敗! “選挙の鬼”中村喜四郎、16年越しの独占インタビュー90分!

選挙やいまの与野党について語るとき、自然と言葉に熱がこもる。
選挙やいまの与野党について語るとき、自然と言葉に熱がこもる。

「普通の人たちで、デカい政党を倒したいんです!」

 両親ともに参議院議員。「喜友会」という後援会どころか、「喜四郎」という名前まで引き継いだ中村が選挙に強いことを「当たり前だ」と思う人もいるだろう。
 ある意味では正しい。しかし、ある意味では間違っている。
 中村は「両親の時代の遺産」だけで当選しているのではない。それは実際に中村の選挙を見た人であればわかるはずだ。中村の選挙運動は「これでもか」というほどに凄まじい。
 出陣式に集まるのは5000人。全員が選挙対策委員だ。選挙を取り仕切るトップは「普通の人」。選対本部長に企業や団体のトップを据える政治家が多い中、中村は一貫して「そういった人たちは頼らない」と言ってきた。
 かつて私が聞いた演説で、中村はこう訴えていた。

「私は普通の人で選挙をやりたいんです! 立場のある人とか、えらいとか、そういう肩書をひけらかすような人が選挙の頭になるのは嫌いです。
 みんな平等だから! 普通の人でやりたいんです! 普通の人たちで、デカい政党を倒したいんです! 普通の人が立ち上がることがいかに怖いかということを、皆さんと一緒に実感したいんです!」

 選挙区内をオートバイに乗って駆け回る中村は「字」単位での街頭演説を繰り返す。すべての遊説スケジュールは選挙前にがっちり固まっている。選挙中に行う街頭演説は1日20回で合計200回。「1日の走行距離は300km」とも語ってきた。中村は20人ほどの支援者が集まる場所にオートバイで現れては演説をし、全員と固い握手を交わす。そして、またすぐにオートバイにまたがり、ブルンブルンとエンジンを空ぶかしする姿を見せつけてから次の演説場所へと向かう。夜は500人近くを集める個人演説会を開き、たっぷりと思いの丈を訴える。

 この遊説スケジュールを手に入れるのも大変なら、手に入れた後も大変だった。会場の場所は地名しか書かれておらず、番地がない。土地勘がないと詳しい場所がわからない。そのため私は車の窓を全開にし、街宣車の音を頼りに中村の居場所を探していた。
 一般に、街頭演説は多くの人が集まる場所に出向いていくことが多い。ところが中村は字単位で細かく予定を作り、自ら有権者のもとに出かけていく。

「演説予定を細かく作っておかなければ、(有権者は)自分の近くでやるってことがわからない。自分の近くでやるっていうことは、この地域を大切にしている人だということ。ここに支持者がいるってこと。遊説スケジュールを見れば『中村の支持者はこんなに全地域にいるんだな』っていうことが一目瞭然になる」

 支援者のもとに細かく足を運ぶ中村は、有権者にとって「自分たちの代表」「手を握れる政治家」だ。私は中村の選挙戦を何度も見て、中村が勝ち続ける理由がわかった。
 茨城7区の有権者は、中村の目、耳、口を通して政治を見てきたのだった。

このオートバイ遊説で選挙を戦ってきた中村氏。(撮影/畠山理仁)
このオートバイ遊説で選挙を戦ってきた中村氏。(撮影/畠山理仁)
1 2 3 4 5 6

[1日5分で、明日は変わる]よみタイ公式アカウント

  • よみタイ公式Twitterアカウント
  • よみタイ公式Facebookアカウント
畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

週間ランキング 今読まれているホットな記事