2021.10.4
キーワードは耳。岸田内閣には「初耳内閣」「寝耳に水内閣」「空耳内閣」と名づけよう
自民党は「選挙というイベント」の使い方がうまい
今回の自民党総裁選挙には4人が立候補した。そのうち半数にあたる2名が女性の総裁候補だった。これは自民党にとっては大きなイメージアップになったはずだ。
なぜなら、自民党の国会議員における女性比率は、各政党の中では低い部類に入るからだ。それなのに「党の顔」である「総裁」を選ぶ選挙では、男女比が半々になった。野田聖子氏が出馬表明の場で「20人の推薦人を整えていただきまして」と発言していたのは、自民党内に「選挙上手な人」が複数いることを示している。層が厚いのだ。
参考までに、各会派の国会議員における女性議員の比率をあげておく。
【衆議院議員】(衆議院ホームページより)
自民党・無所属の会 275人中21人(7.6%)
立憲民主党・無所属 113人中15人(13.3%)
公明党 29人中4人(13.8%)
共産党 12人中3人(25.0%)
日本維新の会・無所属の会 11人中1人(9.1%)
国民民主党・無所属クラブ 11人中3人(27.2%)
無所属 9人中0人(0%)
【参議院議員】(参議院ホームページより)
自由民主党・国民の声 111人中17人(15.3%)
立憲民主・社民 45人中15人(33.3%)
公明党 28人中5人(17.9%)
日本維新の会 15人中3人(20.0%)
国民民主党・新緑風会 15人中4人(26.7%)
日本共産党 13人中5人(38.5%)
沖縄の風 2人中0人(0%)
れいわ新選組 2人中1人(50%)
碧水会 2人中2人(100%)
みんなの党 2人中0人(0%)
各派に属しない議員 7人中4人(57.1%)
これを見てみなさんはどう感じるだろうか。私は「自民党は選挙というイベントの使い方がうまい」という感想を抱いた。
自民党総裁選の期間は9月17日から29日だが、公職選挙法は適用されない。そのため、メディアにおける政治報道の大半は、菅義偉首相が総裁選挙に立候補しないことを表明した9月3日から自民党総裁選がほとんどを占めていた。自民党は約1ヶ月近く、4人の候補者による強いメッセージを国民に発し続けたことになる。