2021.10.4
キーワードは耳。岸田内閣には「初耳内閣」「寝耳に水内閣」「空耳内閣」と名づけよう
LDPオンラインミーティングに参加してみた
今回の「記者クラブ限定取材」には、知り合いの記者も困っていた。それぞれの記者が、4人の総裁候補に質問したいことがあったからだ。
しかし、今回の総裁選挙では、「質問は記者クラブのみ」というローカルルールが徹底された。記者クラブの記者と質問内容が重なっていればいいが、それぞれの記者は独自の視点を持っている。質問の仕方も違う。多様な記者が入ることで、質問に応える候補者の資質もより明らかになる。しかし、その機会が限定されてしまった。
私がどうやって取材しようかと困っていると、知り合いの記者がいいことを教えてくれた。
「9月23日〜26日の4日間、総裁候補4人全員が参加して、『LDPオープンミーティング 国民の声に応える政策討論会』というオンラインイベントを開くそうです。これは参加者が候補者に直接質問できるもので、参加者を公募しています。私も応募しました」
その記者はフリーランスの記者ではない。私とは違い、ちゃんとした報道機関に務める社員記者だ。それなのに記者会見の現場に入れなかった。だからこのミーティングに一般市民として応募するのだという。
今回の総裁選で、実際に投票できるのは自民党の党員・党友と国会議員だけだ。その数は約110万人。一瞬、「取材しなくてもいいかなぁ」というイケない考えが頭をよぎったが、総裁選挙は次期首相を決める戦いだ。選挙と政治を取材する者としては無視できない。このオープンミーティングは自民党員でなくても応募ができるということなので、質問テーマごとに分かれている4日分、それぞれに応募することにした。
応募締切は9月21日。締切翌日には登録した電話番号に電話がかかってきた。
「9月25日に開かれる『防災・減災、国土強靱化、観光振興、農林水産』のテーマでご参加いただけます。当日朝にはZOOM会議のURLをお送りしますので、指名されましたらマイクをオンにして質問して下さい」
おお、抽選に当たった! 各日100名の当選者に選ばれたのだ。これで質問できる!
そう思って臨んだ25日のタウンミーティング。時間は18時〜19時30分の1時間半。自分が質問者として指名される瞬間を今か今かと待ち望んだが、結局、他の人の質問を聞くだけで終わってしまった。他の人から多様な質問が出ているのは非常に面白かったが、自分で質問できないことは非常に残念だった。
それでも「ひょっとしたら質問できるかもしれない」というワクワク感はいいものだ。しかも、企画終了後には事務局から「直接質問いただけなかったお詫び」と「応募への感謝」が綴られたメールが届いた。また、今回のタウンミーティングへのフィードバックも回答フォームで寄せられるようになっていた。
こうした取り組みは他党でもぜひやってもらいたい。きっと政治が身近になるはずだ。