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畠山理仁「アラフォーから楽しむ選挙漫遊記」
20年以上、国内外の選挙の現場を多数取材している、開高健ノンフィクション賞作家による“楽しくてタメになる”選挙エッセイ。

前回の第41回では6月20日投開票の静岡県知事選挙について、現場でしかわからない最終盤の熱きバトルをレポートしました。

今回は、昨日7月4日に投開票された注目の東京都議会議員選挙について。コロナや五輪問題で、政治への関心や不信感が高まる中、行われた4年に1度の「お祭り」。にも関わらず、結果はかなりさみしいものだった?

東京都議会議員選挙でまず伝えるべき結果は「投票に行った有権者、過半数に届かず」だ!

畠山氏が司会を担当したニコニコ生放送での開票特番。
畠山氏が司会を担当したニコニコ生放送での開票特番。

投票率は過去2番目の低さだった!

 4年に1度の「お祭り」が終わった。
 東京オリンピック・パラリンピックではない。東京都議会議員選挙だ。

 今回の都議選は、6月25日告示、7月4日投開票の日程で行われた。東京都知事と対等な立場で議論を戦わせる都議会議員の定数は127。その議席を決めるため、42の選挙区に271人が立候補した。

 私は選挙期間中、都内各地で繰り広げられた選挙戦の現場に足を運んだ。投開票日には、候補者たちと一緒に開票速報を見守るインターネット番組にも出演した。この選挙には、多くの有権者が知らないだけで、実に多様な候補者が立候補していた。そのことを伝えたいと思い、他のメディアでは観られないような候補者をゲストに招いて番組を配信した。

 まずはすべての候補者に敬意を表し、感謝したい。当選した人も落選した人も、どこかに「公のため」という気持ちがなければ立候補できない。それぞれ表現の仕方は違っても、立候補者がいなければ選挙は成り立たない。そのことを有権者のみなさんには改めて思い出してほしい。

 象徴的な選挙区が小平市選挙区だ。この選挙区の定数は2だったが、2人しか立候補しなかった。そのため、「無投票」で当選が決まった。都議選での「無投票」は、58年ぶり3例目。小平市の有権者は「投票したくても投票できませんでした!」と私に教えてくれた。自分が投票したいと思える人に立候補を働きかけるのも有権者の大切な仕事である。

 東京都議会議員選挙の投開票が終了した7月5日朝、複数の新聞が「自民党・公明党で過半数届かず」と伝えた。しかし、私は別の大問題に注目している。それは過去2番目の低さを記録した投票率だ。もし、私が新聞に見出しをつけるとしたら、「投票に行った有権者、過半数に届かず」だったと思う。

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畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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