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畠山理仁「アラフォーから楽しむ選挙漫遊記」
20年以上、国内外の選挙の現場を多数取材している、開高健ノンフィクション賞作家による“楽しくてタメになる”選挙エッセイ。

前回の第33回では埼玉県戸田市議会議員選挙で当選した「スーパークレイジー君議員」の「異議申出書」をめぐるちょっと驚きの事実をリポートしました。

今回は、現職の森田知事が出馬せず、新人候補ぞろいとなった千葉県知事選挙。3月21日(日)に投開票となるこの選挙、投票1週間前に改めて、知事選挙に重要性について考えてみました。すると、「ちょっと真面目にヤバくない?」と思う数字も出てきたり……。

3月21日投開票。直近2回「アラフォー世代」投票率は約27%⁉️ これでいいのか、千葉県知事選挙‼️

3月21日(日)が投開票の千葉県知事選挙。8名が立候補している。(写真提供:大川興業総裁大川豊)
3月21日(日)が投開票の千葉県知事選挙。8名が立候補している。(写真提供:大川興業総裁大川豊)

民主主義という観点に立てば、知事選挙は「全国的なイベント」だ。

 新型コロナ禍でも延期されない大切なイベント。それが選挙だ。

 現在、千葉県では、3月4日告示・3月21日投開票の日程で知事選挙が行われている。知事選挙を「ローカルなイベント」だと考える人も多いが、私は違う。民主主義という観点に立てば、知事選挙は「全国的なイベント」だ。だから、もっと注目されていい。
 私がそう考える理由は次の2点である。

・自分の地域でも立候補してほしいと思える人が見つかるかもしれない。
・自分の地域でも役に立つ政策のアイデアが見つかるかもしれない。

 まずは1点目について述べる。前提として思い出してほしいのは「知事選挙に立候補できるのは誰か」ということだ。

「日本国民で満30歳以上であること」

 これだけだ。つまり、全国どこに住んでいても知事選挙に立候補できる。あなた自身も立候補できる可能性がある。だから、決してローカルなイベントではない。
 歴史を振り返ってみても、都道府県を越えて知事選挙に立候補した人はいる。代表的な例として私がすぐに思い出せたのは次の3氏だ。

・浅野史郎氏(宮城県知事→2007年東京都知事選挙に立候補)
・東国原英夫氏(宮崎県知事→2011年東京都知事選挙に立候補)
・松沢成文氏(神奈川県知事→2012年東京都知事選挙に立候補)

 立候補は大切な権利である。何度出てもいい。地盤を変えて出てもいい。そして有権者には「選ぶ権利」も「選ばない権利」も保障されている。
 自分が当選させたい候補者がいれば、他の有権者にも一票を投じてもらえるように働きかければいい。「こんな候補者はけしからん」と思うのであれば、「あの候補者には入れないで」と説得すればいい。それが選挙というイベントの楽しみ方だ。

 安心してほしい。票を獲得できない候補者は当選しない。ただし、他に候補者が出ない場合には無投票で当選することも忘れてはいけない。「あの人には当選してほしくない」と思っても後の祭りだ。だから私は複数の候補が立候補して選挙戦が行われることは大切だと思っている。

 もし、自分の地域でも立候補してほしいと思える候補者を見つけたら、積極的に声をかければいい。知事選には「引き続き3カ月以上その都道府県内の同一の市区町村に住所のある者」という居住要件がないからだ。そうした人物が見つからなければ、自分たちで立候補してほしい人を探すしかない。
 残念ながら、今は選挙に出る人が限られている。立候補には大きなリスクが伴うから、「出よう」という意思があっても、最終的に断念する人も多い。しかし、一度ハードルを飛び越えた経験を持つ人は、また選挙に出てくれる可能性が高い。そうした人を発掘する意味でも、知事選は「全国的なイベント」である。

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畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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