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政治家も有権者も全国民に読んでほしい! 17歳「若者党」党首のキラキラした本気の言葉

20年以上、国内外の選挙の現場を多数取材している、開高健ノンフィクション賞作家による“楽しくてタメになる”選挙エッセイ。 前回の第29回では、昨年、新型コロナ禍の選挙がもたらした様々な影響を振り返りました。 2021年初回となる今回は、アラフォー世代を中心に、大人には正座して読んでほしいインタビュー。選挙取材歴20年の畠山氏をして「嫉妬した」と言わしめる現在17歳、高校2年生の本気の選挙・政治論です! 「好きこそものの上手なれ」を地でいく選挙に魅せられた若者の話、お子さんがいらっしゃる方は一緒に読むのもオススメです。

自ら立ち上げたネット政党「若者党」のポスターも見せてくれたのが今回の主役、西田悠真さん(17歳)だ。(撮影/畠山理仁)
自ら立ち上げたネット政党「若者党」のポスターも見せてくれたのが今回の主役、西田悠真さん(17歳)だ。(撮影/畠山理仁)

あちこちの選挙を追いかけているスゴい中学2年生がいる

 みなさんは初めて選挙に行ったときのことを覚えているだろうか?

 私は覚えていない。正直に告白すると、大学在籍中に仕事を始めた20歳の頃は、忙しさもあって何度か投票をサボっていた。とても意識の低い20歳だった。
 選挙で票を捨てることが「もったいない」と強く感じるようになったのは、自営業者として収入を得るようになり、初めて自分で確定申告をしたときだ。

「国民年金や健康保険料って、こんなにも高いのか!」

 その時にようやく「人間は生きているだけでお金がかかる。一人ひとりが社会のためにコストを負担している」という真実に気がついた。
 みなさんも「選挙に行くのが面倒くさいな」と思ったら、ぜひ、自分の給与明細や支払っている保険料を思い出してほしい。かなりの額を納めているはずだ。挫けそうになったときは、自分で自分を奮い立たせ、せめて選挙には行ってほしい。そして、できれば選挙に立候補してほしい。
 競技人口が増えれば業界のレベルが上がる。私たち一人ひとりが参加することで、政治はマシな方向へと向かっていく。諦めたら終わり。政治の世界は参加することをやめなかった人たちが勝つ。そのことに気がつくのは、早ければ早いほどいい。

 年の初めにそんなことを考えたのは、ある若者の存在を思い出したからだ。

 今から3年半前の2017年7月。東京都議会議員選挙の取材をしていた私に、36歳の候補者が面白い話をしてくれた。

「あちこちの選挙を追いかけているスゴい中学2年生がいるんですよ。知っていますか?」

 その候補者は若者が政治に無関心であることに危機感を抱き、たった一人で立候補していた。政党や組織の支援は受けていない。あまり注目されない候補だったため、取材に来たのは私ぐらいかと思っていた。しかし、私よりも先に会いに来た人がいるというのだ。

「中学2年生の子がわざわざ千葉県から会いにきてくれたんですよ。話を聞いたら、彼は小学2年生のときから選挙を追っかけているそうです。初めて選挙に出る僕よりも選挙に詳しかった。彼が選挙に出たほうが良かったかもしれません(笑)」

 彼に会いたい。何がどうしたら中2で選挙の追っかけをするようになるのか。

 その彼がTwitterをやっていると聞き、さっそく過去のツイートを見せてもらった。たしかに各地の選挙を追いかけている。あどけない少年が候補者とのツーショット写真を撮りまくっている。私は仕事で多くの候補者に会いに行くが、彼は私が会ったことのない候補者にも会っていた。正直に言って、嫉妬するほどの活動量だった。

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新刊紹介

畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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