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選挙に出るリスクを冒さずに「選挙の実態」がわかるオススメ映画と書籍

選挙ボランティアのススメ

 みなさんの中で、選挙に立候補した経験がある人はどのくらいいるだろうか?

 連載第2回でも紹介したように、今の日本では選挙に立候補する人は少ない。2017年の衆議院議員総選挙では、被選挙権を持つ人のうち「約7万5000人に1人」、2019年の参議院議員選挙では、「約25万人に1人」しか立候補していなかった。

 何度でも繰り返す。立候補する人が少なければ少ないほど、有権者の選択の幅は狭くなる。候補者が多ければ多いほど、自分の考えに近い候補者を見つけられる可能性は高くなる。だから私は選挙に立候補してくれる人たちを「民主主義社会の宝」と呼んで敬意を払ってきた。とてもではないが、私には真似ができないと思っているからだ。

 みなさんもご承知の通り、投票率の低下が叫ばれて久しい。今の日本において、選挙への関心は高いとは言えない。選挙はまだまだ「遠いもの」だと思われている。
 それでは、自分が選挙に立候補せず、選挙を身近に感じる方法はあるだろうか?
 ある。それは選挙を手伝うことだ。
 選挙を手伝うと自分の世界が広がる。事務所にどんな人が集まってくるか、現場で何が行われているかの一端を、自分の身をもって体験できる。私は学生時代に選挙を手伝ったことが、今の仕事につながっている。

 もし、応援した候補が当選すれば、喜びをともにできるだろう。落選してしまったら、悔しがるだろう。そして、「次こそは当選できるように応援しよう」と思うだろう。
 私は選挙を手伝ってから、候補者のポスターだけを見て投票先を決めることをやめた。候補者がどんな主張をしているのか興味を持つようになった。できれば候補者本人を生で見ることも心がけるようになった。
 選挙を手伝えば、自分たちの代表を送り出すことに貢献できる。当選した後も、自分たちの意見を政治家にフィードバックするパイプができる。これだけでも、あなたの生活には大きな変化が訪れる。
 特に日本の選挙は短期決戦だ。最短で5日間。最長でも17日間で選挙期間は終わる。数日、数時間なら、なんとか参加することができるのではないだろうか。
 その間、外から見ていた選挙とは、まったく違う風景を見られることは間違いない。この先の政治や選挙への見方が変わることも保証する。それほど外から見る選挙と中で体験する選挙の温度差は激しい。

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新刊紹介

畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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