よみタイ

CITY BOYおじさん 湖畔でデュアルライフはじめました。
東京生まれ、東京育ちの“シティボーイおじさん”が、山中湖畔に中古の一軒家“山の家”を購入!
妻、娘、犬とともに東京←→山梨を行き来する2拠点生活=「デュアルライフ」をはじめました。
音楽や読書など山の家での趣味活動から、仕事やお金のやりくりといった現実的な話題まで、
著者が実体験したデュアルライフのリアルを綴ります。
別荘暮らしが優雅な富裕層の特権だったのはもう過去の話。
社会環境や生活スタイルが大きく見直されている今、必読のライフエッセイです。

前回は、フリーランスになり干支が一回りしたタイミングで、改めてこの12年の働き方、ライフスタイルの変化についてのお話でした。

今回は、ゴールデンウィークの過ごし方。タイトル通り、山の家なら移動も比較的ラクに登山もでき、楽器もしっかり音を出して楽しめる、というエピソードです。
ちなみに担当編集も今回紹介する「ワークマン」のトレッキングシューズ持ってますが、本当にいいですよ!

デュアルライフのゴールデンウィーク〜楽器とゆる登山とワークマン〜

楽器を遠慮することなく鳴らすことができる山の家

山梨県・山中湖村の我が“山の家”には、電子ピアノとコルネットがあります。
どちらも鳴らすのは、もっぱら中2の娘。
小さな頃からピアノを習い、中学では吹奏楽部に入ってトランペット担当になった娘は、楽器が大好きなのです。

我が家がメインで暮らす“東京の家”にも、娘用の電子ピアノとトランペットがあります。
でも世田谷の住宅地では、それらの楽器を思い切り鳴らすことなどできません。
音量を絞ったりヘッドフォンに接続したりできる電子ピアノはまだしも、ミュートをつけてもそこそこの音量が出るトランペットは、東京の家ではご法度です。

このゴールデンウィーク、我が家は休日のほぼすべてを山の家で過ごし、娘はその間、二つの楽器を思い切り楽しみました。
山の家といっても、人里離れた“ポツンと一軒家”ではなく、周囲には永住組の人たちの暮らす家がたくさんありますが、一つ一つの家の間隔は東京のそれよりずっと開いているので、大きな音が出る楽器を鳴らしても迷惑にはならないのです。

旧式の電子ピアノはハードオフにて9900円で購入。お買い得だった
旧式の電子ピアノはハードオフにて9900円で購入。お買い得だった

写真家ご夫婦のお隣さんちにはグランドピアノがあり、ときどき弾いている音が聞こえてきますが、程よい距離で“天然ミュート”された、静かないい音色です。
ゴールデンウィークのような長い休みの間は、耳を澄ますとあちらこちらからさまざまな楽器の音が、風に乗ってふわっと聞こえてきます。
娘はさすが吹奏楽部員で、「あれはアルトサックス、こっちはユーフォニアム」などと聞き分けて教えてくれます。

多分、別荘に暮らすおじいちゃんやおばあちゃんを訪ねてきた少年少女が、ここぞとばかりに練習しているのでしょう。
ややたどたどしい音を聴いていると、うちの子の仲間がいるな〜と微笑ましい気分になります。

ところで、娘はトランペット吹きなのに、なぜ山の家にはコルネットがあるのかといえば、少々事情があるわけです。
実はこのコルネット、遠い昔の学生時代、僕が自分用に買ったもの。
コルネットはトランペットの親戚なので、指遣いやキーは同じです。だから娘が練習に使えばいいと思い、最近譲りました。

学生時代、音楽サークルに所属していた僕は、いくつかのバンドを掛け持ちしていました。
ある年の学園祭のときにはスカバンドを組み、その演奏のためにと思ってこのコルネットを買いました。
スカも本来ならトランペットが合うのですが、敢えてコルネットを選んだのは、その頃たまたまビデオを借りて観た映画『五つの銅貨』(1959年・アメリカ)の影響でした。
実在のコルネット奏者、レッド・ニコルズの半生をダニー・ケイが演じたこの古い映画はとてもいい作品です。

でも飽きっぽい僕は、上達する前にコルネットをほっぽりだしてしまいました。
いつかは再び練習しなければとずっと心に引っかかったまま、30年も放置してしまったコルネットに、娘という新たな吹き手と、山の家という演奏場所が見つかり、本当に良かったと思います。
トランペットが都会的で華やかな音色なのに対し、コルネットは牧歌的で穏やかな音色なので、より山の家に合っているような気もします。

コルネット君もきっと満足でしょう。
今まで放っておいて、本当にすまんかった。

娘のおかげで息を吹き返した僕のコルネット
娘のおかげで息を吹き返した僕のコルネット
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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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