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ダメ恋やめられる!? 〜発達障害女子の愛と性〜

薬物、整形、性衝動……発達障害女子をのみこむ「依存症」の深い穴

「悪い友達」と一緒に違法薬物に手を染める

 学校に行かず家にも帰らず、いわゆる「悪い友達」とつるみだしたマドカさんが出会ったのが薬物だった。もともと、うつ傾向があり精神科で出された薬をオーバードーズして自殺未遂をした経験もあったので薬に抵抗はなく、大麻やMDMAなどの違法薬物にどんどんハマっていき、最終的には毎日摂取するようになった。「ヤクの売人」というと裏に暴力団がついていそうな恐ろしいイメージがあるが、マドカさんの地元は普通の遊び仲間の中にラフな感じで売人がいたという。値段もお小遣いで買える範囲だった。

 薬物依存症に陥ったマドカさんを救ってくれたのは付き合っている男性たちだった。

「彼も元々は売人だったので、使っている人のことはすぐ見抜けるんですね。それでクスリをやっていたときに彼から電話が来て、ハイになっている状態で電話に出たらめっちゃ怒られて。『お前やお前の周りがヤクやってること通報してやるからな! 今持ってるの全部出せ!』と言われてそこで一旦全部処分しました。結局その彼とは別れてしまったのですが、ほとぼりが冷めたらまたやるつもりでいました。でも、そうこうしている間にきちんとした彼氏ができたんです。その彼がすごくいい人で、私がクスリの切れ目で精神的におかしいときも普通に一緒にいてくれたんです。お互いに依存体質だったのもありますが、それで完全にクスリを断ち切ることができました」

 依存の対象が薬物から彼氏に変わったとも言えそうだ。
 マドカさんに初めて彼氏ができた年齢について聞いてみるも、あまり思い出せないようで、「付き合っている」という認識が17歳くらいまでなかったという。しかし、「付き合って」と言われると何も考えずに「いいよ」と答えてしまい、束縛をされるとすぐに嫌になって1週間ほどで別れることが日常茶飯事だった。学校にあまり行っていなかったため、付き合う相手はネットでやり取りした年上の男性や、クラブで出会った人ばかりだったそうだ。

自分の価値を確かめるためのセックス

 このようにして薬物依存からは抜け出せたマドカさんだったが、同時に性依存(セックス依存症:性的行動に対する嗜癖)も抱えていた。

「性依存は15歳の頃が一番ひどくて、私の場合、死にたいと生きたいが共存しているような状態のときに起こっていました。自傷行為の代わりとしての性依存みたいに捉えていて。自分をモノだと考えると、リストカットすると傷が付いてモノとしての価値が下がってしまうので、自分が生きていることや自分が誰かに必要とされていることを確かめるための手段がセックスでした」

 マドカさんは不特定多数の男性とセックスをし、一日に3人と交わることもあった。そのため経験人数は数え切れず、200人以上500人未満なのではないかと話す。今も性依存は克服できておらず、定期的にセックスする相手がいるが、そこに依存してしまうのはよくないと思い、月1回しか会わないと決めているそうだ。現在は自営業でもあり、変な噂が立つのを防ぐため、不特定多数とは関係を持たないように気をつけているとのことだった。

イラスト:にくまん子
イラスト:にくまん子
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姫野桂

ひめの・けい
フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)、『生きづらさにまみれて』(晶文社)がある。


Twitter @himeno_kei

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