よみタイ

ダメ恋やめられる!? 〜発達障害女子の愛と性〜

摂食障害の私が「ぽっちゃり」好きの彼氏と付き合った結果

セフレ、二股、ヒモ、ホス狂い……「ダメ恋」をやめられないのは、私に男を見る目がないから!?
『私たちは生きづらさを抱えている』『発達障害グレーゾーン』などの著書があるライターの姫野桂さんが、発達障害女性たちの恋愛事情に迫るルポ連載。
前回に続き、著者である姫野桂さんが、ご自身の摂食障害について語ります。

細かったはずの身体がコロナ太りに

 30歳のときに二度目の摂食障害の拒食症になり、体重が40kgまで落ちた。そしてしばらくはこの体重を維持していた。しかし、2020年の春、私の体重は49kgにまで増えてしまった。そう、コロナ太りだ。不要不急の外出を禁じられ、仕事もほぼリモートで家にこもることが多くなった。会いたい友達にも簡単には会えなくなってしまったストレスから、私はカップ麺や菓子パンを過食するようになった。ちょうどその時期、仕事も少なくなってしまってちょっとしたうつ状態に陥り、何もする気力が起きず、食べた後は即寝ていた。
 また、このとき同時にアルコール依存にも陥った。最初は発泡酒を飲んでいたのだが、酔う前にすぐに飲み終わってしまう。そこで、ウィスキーを1瓶買ってきてハイボールにして飲むことにした。しかしこれもすぐに飲み終えてしまう。結果、私がたどり着いたのは業務用の4Lの「鏡月」をジャスミン茶で割って飲むことだった。これならコスパよく酔える。酔って何もかも忘れたかったのだ。

 痩せるために吐こうと思いついたのは、そんな最中のことだった。最初は指を突っ込んで吐いていたが、次第に吐き方をマスターしていき腹筋の力だけで吐けるようになった。嘔吐を繰り返すと胃酸で歯が溶けてしまうので、歯を守るためのフッ素のジェルを購入し、吐いた後はそれを歯に塗るようにした。
 しかし、吐いてもまた食べているのでなかなか痩せない。運動をしないといけないけれど、コロナ禍で外出ははばかられる。そこで、部屋の中でできる運動として踏み台昇降運動を行うことにした。YouTubeで好きな音楽を流しながら毎日20分ほど行った。それでも、思うように痩せない。

イラスト:にくまん子
イラスト:にくまん子

新しい彼氏の好みが「ぽっちゃり」だった

 そうこうしているうちに所謂いわゆる「コロナ慣れ」してきて、外出もできるような空気感になってきた。外出をするようになったせいか、体重は47kgまで自然と戻っていた。アルコール依存に関しては通院している心療内科に相談し、減酒を行い、無茶な飲み方はしなくなった。(アルコール依存症の治療は断酒が基本だが、最近では全く飲まないのではなく減酒という方法もあると知り、私は医師の指導のもと減酒を選択した。)

 この47kgの体重で、周りの友人たちからは「ちょうどいい体型になった」と言われた。私は満足していなかったので、できるだけ夜は炭水化物を抜いて過ごしていた。
 そして翌年の2021年春、私に転機が訪れた。
 実に6年ぶりにできた彼氏と、詳細は割愛するがひどい別れ方をしたばかりで落ち込んでいる私に、友達がちょうど良さそうな人がいるからと男性を紹介してくれることになった。それが今の彼氏だ。
 彼とは会ったその日に意気投合してお付き合いが始まった。しかし彼はぽっちゃり体型の女性が好みらしく、当時の私のことを痩せていて不健康そうだと思っていたらしい。彼はグルメでいろんなおいしいお店を知っていて、大食いでラーメン大好きな焼酎マニアだ。彼においしいレアな焼酎を教えてもらったり、大盛りこってりで有名な二郎系ラーメン店に連れて行ってもらったりした。

1 2 3

[1日5分で、明日は変わる]よみタイ公式アカウント

  • よみタイ公式Twitterアカウント
  • よみタイ公式Facebookアカウント

関連記事

姫野桂

ひめの・けい
フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)、『生きづらさにまみれて』(晶文社)がある。


Twitter @himeno_kei

週間ランキング 今読まれているホットな記事