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ダメ恋やめられる!? 〜発達障害女子の愛と性〜

「フン、おもしれー女」が一転「ヤバい女」に……関係が深まるとフラれる発達障害女子の恋

セフレ、二股、ヒモ、ホス狂い……「ダメ恋」をやめられないのは、私に男を見る目がないから!?
『私たちは生きづらさを抱えている』『発達障害グレーゾーン』などの著書があるライターの姫野桂さんが、発達障害女性たちの恋愛事情に迫るルポ連載。
前回に続き、職場でのセクハラに悩むマユミさん(仮名)のお話を伺います。

「普通の女子」になれない辛さ

 今まで働いていた職場のほとんどでひどいセクハラを受けた末、うつ病になってしまったマユミさん(仮名・31歳)。現在は同じく発達障害のあるパートナーに支えられながら同棲中だ。まだ付き合って3〜4ヶ月だという。今までのマユミさんの恋愛相手は定型発達の人ばかりだったそうだ。

「ニュース番組のアナウンサーみたいな、毎日見てもあまり印象に残らないような見た目の人がタイプだったんです。もちろんアナウンサーは素晴らしい仕事なのですが、良くも悪くもない60点、みたいな容姿の人が好きで。そういう人たちはいわゆる『普通の女性』に飽きていて、私のことを『面白い女だ』と思って近づいてきます。見た目は普通の女の子だけど、発達障害の特性のせいでちょっと抜けているところがあって面白い、みたいな。でも、付き合っていくうちに、その『ちょっと抜けている』というのが、毎回デートに遅刻する、毎回忘れ物をするという桁違いのレベルに引いていって『こいつはヤバい女だ』と思われて……大体1年くらいでフラれちゃって辛いんです。だから、いつも同じような定型発達の男性を数名、同時進行して恋愛を進めていました」

 私もザ・定型発達の男性から言い寄られたときには「面白い女」がキーポイントだったように思う。学校でも浮いている存在だったので、そのオーラが大人になっても消しきれていない。そこを「面白い」と捉えられて近づかれそのうち「こんなことをしているなんて本当にヤバい女」と思われて去って行かれた。
 ちなみに私は、寄ってきた定型男性とセフレの関係になってしまったことがあり、どうにかして本命に昇格したく、そのためには分析が必要だと思って、彼の好きな音楽やファッション、セックスをした日時、場所、回数などをエクセルにまとめていた。このことをセフレだった彼に伝えたら怖がられた。

「私、“量産型女子”のような、どこにでもいそうな普通の女の子、にはなりたくてもなれないんです。そういう風に振る舞えたら、こんなにセクハラや恋愛で困ったことになってないと思うのですが……」

 マユミさんは伏し目がちに、普通の女子になれないつらさを語った。私も「普通の女子になれない組」として、その気持ちはよくわかる。
 

イラスト:にくまん子
イラスト:にくまん子
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姫野桂

ひめの・けい
フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)、『生きづらさにまみれて』(晶文社)がある。


Twitter @himeno_kei

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