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ダメ恋やめられる!? 〜発達障害女子の愛と性〜

痩せれば彼が振り向いてくれるかも……自己評価低めの私が陥った摂食障害

セフレ、二股、ヒモ、ホス狂い……「ダメ恋」をやめられないのは、私に男を見る目がないから!?
『私たちは生きづらさを抱えている』『発達障害グレーゾーン』などの著書があるライターの姫野桂さんが、発達障害女性たちの恋愛事情に迫るルポ連載。
前回は、どこに行ってもセクハラを受けるマユミさん(仮名)のお話でした。
今回は、著者である姫野桂さんのエピソード。発達障害とともに長年付き合ってきたご自身の摂食障害について語ります。

 発達障害傾向にある人はその生きづらさから、うつ病、適応障害、双極性障害などの二次障害を併発する人も多い。私もそのうちの一人で、双極性障害と摂食障害がある。今回はそのうちの摂食障害と私の恋愛がどう関わってきたかを考えてみたい。
 摂食障害は極端に食事量を減らしたり、逆にむちゃ食いをしたり、むちゃ食いをした後に嘔吐する過食嘔吐などが起こり、食事を適切に摂ることが難しくなる、心と身体に支障をきたす障害だ。適切に食事が摂れないので体重の増減も激しく、極端に痩せたり太ったりする。しかし、認知の歪みによって、たとえガリガリに痩せていたとしても自分は太っていると思いこんでしまう。
 今のところ特効薬などはなく、寛解したとしても再発してしまうことが非常に多い。摂食障害は主に10代~20代の女性に多く、真面目、努力家、完璧主義の人などが発症しやすいという研究結果も出ている。

就活のストレスから食欲がなくなる

 私が摂食障害を発症したのは21歳のとき。ちょうど就活中だったのだが、世はリーマンショックの真っ只中。一つ上の先輩たちは売り手市場の時期に就活だったので、「(名門女子大だから)大学名と名前さえ書けば受かるよ!」と言われていたほどだったのに、いくら受けても内定が出ない。というか、まず説明会の申込みが一瞬で埋まってしまって就職試験どころか説明会にさえたどり着けなかった。当時はまだ発達障害の診断を受けていなかったが、今思うと、空間認知機能が低いことから道に迷いやすく、説明会や就職試験が始まる1時間以上前に会場付近に到着して場所を確認し、カフェなどで時間を潰していたので、他の企業の説明会に行く時間がなくなってしまっていた。大変要領の悪いスケジューリングで活動していたので、これもうまく就活ができなかった要因だと思われる。

 運良く面接までたどり着いた企業も、最終面接で落とされてしまった。そうして心折れた私は就活をやめた。就活は落とされるたび、自分がこの世に必要とされていないように感じられ、自分なんていなくてもいいのではないかと思う日もあった。
 気づくと食欲がなくなり、一日に「たべっ子どうぶつ」というビスケット1箱と大量の発泡酒で過ごす日々が始まった。するとみるみる体重が落ち、当時50kgほどあった体重が1ヶ月で44kgまで落ちた(身長は156cm)。
 ビスケットしか食べていないので栄養失調の症状が現れ、太ももにブツブツとした水疱状の吹き出物ができた。さすがにそのデキモノが気持ち悪くて少しはご飯や野菜を摂るようにしたが、基本的には食事は最小限で済ませるようにしていた。

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姫野桂

ひめの・けい
フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)、『生きづらさにまみれて』(晶文社)がある。


Twitter @himeno_kei

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