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ダメ恋やめられる!? 〜発達障害女子の愛と性〜

薬物、整形、性衝動……発達障害女子をのみこむ「依存症」の深い穴

セフレ、二股、ヒモ、ホス狂い……「ダメ恋」をやめられないのは、私に男を見る目がないから!?
『私たちは生きづらさを抱えている』『発達障害グレーゾーン』などの著書があるライターの姫野桂さんが、発達障害女性たちの恋愛事情に迫るルポ連載。
前回は、発達障害をもつシングルマザーの女性のお話でした。
今回は、発達障害と併発しやすいと言われる「依存症」に苦しんだ過去を持つマドカさん(仮名)のお話を伺います。

 2017年12月に発売された『精神科治療学』(星和書店)の「特集 大人の発達障害」によると、ADHDの人は定型発達の人よりも2倍、何らかの依存症に陥りやすいという研究結果が出ている。自身が経営しているカフェでインタビューを受けてくれたマドカさん(仮名・30歳)も、過去に薬物依存に整形依存、性依存に陥ったことがある。華奢な体型でしなやかな仕草、言葉遣いも丁寧で、取材中も「寒くないですか?」と気遣ってくれたりと、落ち着いた雰囲気をまとっており、そんな壮絶な過去があったとはとても思えない。

聴覚過敏のせいで授業が聞き取れず転校

 マドカさんは中学生の頃から周囲になじめず、「生きづらさ」を感じて精神科に通院していたが、カウンセリングを親と別に受けていたため、自分が何の病気や障害を抱えているのかわからなかった。これまでの取材でも何件か聞いたことがあるが、医師によっては本人に発達障害であることを知らせないことがあるようだ。

「高校時代、聴覚過敏のせいで先生の声と周りの生徒のヒソヒソ声が混ざり合って同じ音量で聞こえて授業がうまく聞き取れなかったり、じっと椅子に座っていられなかったり、自分が興味のない授業では気を失ったかのように寝てしまったりしていたんです。それで先生が『この生徒はおかしい』と前の方の席に座らせても同じことが起こる。なので、授業はあきらめて家で勉強をしていたらテストでは良い点が取れて、周りからは『あの子授業聞いてないのになんで?』と浮いてしまって……結局その高校は辞めて、別の高校に1つ下の学年で入学することにしました」

 マドカさんが自分に発達障害があることを知ったのは、その転校手続きのときだった。次の学校へ出すためにクリアファイルにまとめた手続き書類の一番上に、マドカさんが発達障害の一種であるADHD(注意欠如多動性障害)とASD(自閉スペクトラム症)であることが記された書類があり、それが目に入ってしまったのだ。両親はマドカさんが発達障害であることをずっと隠していたことになる。

「そのときは自分が障害者だということを受け入れられずに見なかったことにしました。そのことを受け入れられたのは、大人になって改めて自分で精神科に出向き、検査を受けて再度ADHDとASDの診断を受けてからです。
 新しい高校では改めて勉強を始めました。でも、私は他の生徒より年齢が1つ上だし、どんどん母親と折り合いが悪くなって学校にも行かなくなり家にも帰らなくなってしまったので、出席日数がギリギリでした」

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姫野桂

ひめの・けい
フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)、『生きづらさにまみれて』(晶文社)がある。


Twitter @himeno_kei

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