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ダメ恋やめられる!? 〜発達障害女子の愛と性〜

当日欠勤ができて大金が「自分の成績表」に見えるありがたみ~発達障害女子が風俗で働く理由

セフレ、二股、ヒモ、ホス狂い……「ダメ恋」をやめられないのは、私に男を見る目がないから!?
『私たちは生きづらさを抱えている』『発達障害グレーゾーン』などの著書があるライターの姫野桂さんが、発達障害女性たちの恋愛事情に迫るルポ連載。
前回は、ホスト沼にはまったりしながらも、お互いを理解して支え合えるパートナーを見つけて生活しているルイさん(仮名)のお話でした。
今回は、人気風俗嬢として働くカナコさん(仮名)のお話を伺います。

とりあえずデートがしたいから付き合う

 ZOOMの画面越しに現れたのは黒髪ロングの清楚系でパッチリとした目が特徴的なカナコさん(仮名・24歳)。この日は関西方面に住むカナコさんにZOOMでインタビューを行った。
 カナコさんは発達障害の一種であるADHDと算数LD、そして二次障害に気分障害がある。彼女の仕事はファッションヘルス嬢。21歳のときから風俗店で働いているという。
 カナコさんの発達障害が発覚したのは大学に進学して一人暮らしをするようになってからだ。元々ずぼらな性格だと自覚していたが、あまりにも片付けられないことに気がついた。机を片付けようとすると脱いだ服のほうに目がいき、服に目がいったかと思うと取り込んだ洗濯物のほうに目がいってしまうことが頻発した。これはおかしいのではないかと当時付き合っていた精神科の看護師の彼氏に相談し、病院に行って検査を受けてADHDと算数LDの診断が下りた。

「大学生になって個人経営の居酒屋でバイトを始めたのですが、時給が低くて月に2万くらいしか稼げなくて。あと、注文が重なるとパニックになってしまったり、注文の数が数えられなくなってしまったり。調理補助の際はどのお皿から完成させていくべきなのかわからなくなることも多々ありました。それで、普通のアルバイトではミスをしてしまうのと、お金的にも風俗のほうが稼げるので風俗嬢になりました」

 カナコさんが風俗嬢になった理由は「気分障害で働けない日でも当日欠勤できるから」というのが第一だというが、当時は自分に自信がなく、男性から求められることに喜びを感じていた。

「あまり自分から好きになった人と付き合ったことがないんです。自分から好きになったのは私が発達障害を疑うきっかけになった看護師の元彼と、今付き合っている彼氏だけです。とりあえず彼氏がほしいから付き合う、みたいなことが多くて。別に好きでもないし彼氏という存在がいてデートに行けるという行為だけが嬉しかったんです。初体験は16歳のとき、出会い系サイトで出会った36歳の男性と済ませました。処女である自分は無価値だと思っていたので、処女を捨てられてラッキーと思いました。その男性のことは嫌いではなかったのですが、さすがに16歳と36歳のおじさんが付き合うのは変だと思ったので交際はお断りしました。それでもやっぱり男性とデートに行くという行為が嬉しくて、その後も平気で出会い系サイトを利用して男性と性行為を繰り返していました」

 とりあえず彼氏がほしいから付き合うという点は、過去の私を彷彿とさせるものがある。第一回目の記事でも書いたが、私は「彼氏」という記号が欲しかったため、好きでもない人と付き合って、相手の思うままにされて傷つけられていた。

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姫野桂

ひめの・けい
フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)、『生きづらさにまみれて』(晶文社)がある。


Twitter @himeno_kei

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