2020.8.19
将来を考えすぎてお金を使えない人と、今しか考えられずお金を使いまくる人
ブスとお金 第16回
欲しい時計を何年間も買わない理由
宵越しの金は持たない。
お金は天下の回りもの。
という言葉がある。
私の友人に、宵越しの金は持つが、お金を回さない女がいる。
そこそこ稼いでいる独身の女性(37歳・経営者)なのだが、
華美な服装もせず、外食が多すぎるわけでもなく、とても堅実な人物である。
ATMからお金を引き出す際も、時間外手数料がかかるなら、次の日の手数料がかからない時間帯に出直すような人間だ。
もはやそこまで堅実にならなくてもいいくらい、堅実な女性である。
そんな彼女がめずらしく「〇〇の腕時計、欲しいなあ」と呟いた。
その腕時計のお値段は、〇〇万円。10万円以上100万円以下のものであった。
ブランドものに全く興味のない私からすれば高いし、ブランドものばかり購入している方からすれば、もしかしたら安いと思うかもしれない時計である。
重ねて言うが堅実な彼女である。
悩んでいた。
私なら絶対買わない値段の時計であるが、人と会うことが多い彼女の仕事柄や、30代後半という年齢を考えれば、分不相応でもないし購入してもいいのではないか?
長く使えるものであろうし(また、彼女の膨大な貯金額を知っているので)私は彼女の背中を押した。
しかし、彼女は数年経った今も購入していない。
先日、「あの時計、買わないの?」と聞いてみた。
「やっぱり、なくても困らないし。いつまでこの収入が続くかも心配だし。老後のために貯めるわ」
彼女は定年のない自営業である。できる限り働き続けるといっているが、65歳までに〇億円貯めるという目標設定をした上で、日々生きている。
彼女のこの考えに疑問を持つ方も一定数いるであろう。
明日、ぽっくり死んでしまったら、がんばって貯めた貯金も使えないことになる。
そんな人生つまらない。
慎重派な彼女をそのように見る方もいると思う。
何のために生きているのか、と。