2020.7.8
「幸せはお金だけじゃない」と言っているのは、大抵、お金に余裕がある人だ
自分のお金があればできたのに
お金が幸せのすべてではないが、
無視できない現実は、お金がないことで、人生も幅を広げることに制限がかかることだと思う。
私は埼玉の田舎の小中学校を卒業し、県内の公立高校、東京の私立大卒業という経歴である。
今はそうでもないかもしれないが、私の時代は、私立の小学校・中学校受験というのがあまり一般的ではないところだった。
中学までは地元の中学校に通うというのが、当たり前の環境で育った。
当然のように親のお金で大学まで出してもらって、これで「通学」は終わりだと思っていた。
しかし、数年前、私は経営について学びたいと思い立ち、仕事をしながらビジネススクールに通った。もちろん、学費は親のお金ではないし、夫に出してもらったわけでもない。
この決断もコツコツ貯めてきた貯金があったから選択し、行動できたことである。
ここで視野が広がった。それも想像以上に、だ。
海外からの学生と一緒に授業を受ける機会があり、ほとんど英語のできない私は必死に英語を勉強し、彼らとコミュニケーションをとろうと頑張っていたのだが、今まで、海外の方と仕事をすることなどもなかったので、語学の重要性について考えたこともなかった。
しかし遅ればせながら実感した。
語学ができれば、世界の方と話すことができる。
これ、楽しいじゃないか、単純に。
ふと我に返り、娘に思いを馳せるようになった。
この子は将来、日本で生きるというだけではなく、世界のどこへでも行けるという選択肢があるのだと。
ビジネススクールに通わなかったら、全く考えもしなかったであろうことを考えるようになった。
これは今まで、会ったことのない人と出会えたからである。
そのおかげで、自分の関心の領域を広げられたばかりか、娘の将来の選択肢の幅も広がった。
結婚・出産。
そして、子供への教育費、自分の老後資金。
生きていく上で訪れるライフイベントでのお金の必要性ももちろん考えなければならないところだが、そのライフイベントでの選択肢、価値観を広げるきっかけは、自分の行動からしか生まれない。
何を選択しても間違いではないし、正解もない。
しかし、後から、ああいう選択肢もあったのか。
自分のお金があればできたのに。という後悔だけはしたくない。
そのためにも、行動の量を増やし、機会をつかみ、視野を広げておくことは有効である。
人生を終える時に「幸せはお金だけじゃない」なんて言える人は、結局、お金がある生活をしたことがあるから言えるだけで、お金だけじゃない価値観、選択肢を経験したから、結論として「金だけじゃない」と言えるのである。