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稲田ズイキ「罰当たりなほどにユルくてポップな仏教トーク」

マインドフルネス、ブロックチェーン……流行りそうなやつは大体トモダチな仏教

日本人のウェルビーイングは仏教なしでは語り得ない?

毎日YouTubeの更新コンテンツを消化して、Twitterで繋がりたい人と繋がって、休日はVRゴーグルでライブ会場へ。そんな生活が続いているヤングマンたちがたどり着いたのは「あれ、うちらの幸せってこれでいいんだっけ?」という疑問だった。

「テクノロジーの発達=幸せ」という簡単な構図はすでに崩壊していて、幸せについて本気出して考えないといけないフェイズにとうとう人類は入った。そんな「幸せ」を状態として表した言葉が「ウェルビーイング」だ。
もともとはWHO憲章の草案にあった、健康を定義する言葉で「肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態」のことを「ウェルビーイング」と呼んだことが発祥だが、現在では「幸福」と訳されることが多い。
「えっ、突然のスピ?」なんて思う人がいるかもしれないが、ウェルビーイングは半分科学、半分哲学といった塩梅で研究がなされていて、特に企業の労働環境を整備するような部署ではホットなトピックになっている。

そんなウェルビーイングの概念は欧米を中心に研究されて発展してきたが、今われわれが直面しているのは、「日本人の幸せって、外国人の幸せとちょっと違うかもね?」という問題意識である。つまり、幸せ指数を計測したいけど、外国の指標を持ち込んだときに、そもそも幸せの概念が違うんだから、正しい測定にならないからどうしよう〜という状況になっているのだ。

そこで検討されているのが、欧米人的な幸せが個人ベースであるのに対し、日本人的な幸せは個人ではなく、人と人との「和」の中にあるのではないかといった観点である。そして、何を隠そう、そうした他者との関係性の中に幸せを見出す思考の根底にあるのは、無意識レベルに日本人の身体に落とし込まれた、そう、またしても仏教思想なのではないかと言われているのだ。

先ほどブロックチェーンの項目で説明したように、仏教では「個人」という概念は存在しない。あらゆる存在もお互いに関係し合いながら成り立っているというのが仏教の世界観だ。日本の恋愛リアリティ番組『テラスハウス』が海外で人気を博しているらしいが、ウケているポイントは日本人が空気を読みすぎているところにあるそうだ。海外から見ると相当特殊な日本人の感性。そんな我々のウェルビーイングを考える上では、飛鳥時代から続く日本人の価値観のベースになっている仏教の存在を見ないわけにはいかないのかもしれない。テラスハウスの新メンバーに、一刻も早い僧侶の投入が待たれる。ココニイルヨ!

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稲田ズイキ

いなだ・ずいき●僧侶。1992年京都の月仲山称名寺生まれで現・副住職。同志社大学を卒業、同大学院法学研究科を中退、その後デジタルエージェンシー企業インフォバーンに入社。2018年に独立し、寺に定住せず煩悩タップリな企画をやる「煩悩クリエイター」として活動中。コラム連載など、文筆業のかたわら、お寺ミュージカル映画祭「テ・ラ・ランド」や失恋浄化バー「失恋供養」、煩悩浄化トークイベント「煩悩ナイト」などリアルイベントを企画しています。フリースタイルな僧侶たちWeb編集長。Twitter @andymizuki
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竹内佐千子

たけうち・さちこ●漫画家。おっかけ対象が男子で恋愛対象が女子のレズビアン。
自身の恋愛体験を描いたコミックエッセイをはじめ、おっかけ、腐女子、などをテーマにしたコミックエッセイを描き続け、最近はストーリー漫画も描いている。
赤ちゃん本部長』(講談社)、『生きるために必要だから、イケメンに会いに行った。』(ぶんか社)など。
ホームページhttp://takeuchisachiko.jp/
Twitter @takeuchisachiko

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