よみタイ

稲田ズイキ「罰当たりなほどにユルくてポップな仏教トーク」

サラリーマンの人生には仏教の「四苦=生老病死」がフルコンプされてた

坊主なのに煩悩まみれ。
そんな俗世と浄土を行き来する、ユル〜い僧侶・稲田ズイキがお届けする仏教トーク。

前回は「南無阿弥陀仏」に込められた意味を、ライブの声援にたとえて説明しました。今回は、よく耳にする言葉「四苦八苦」の「四苦」について解説します。

「なんかもう生きてるだけでしんどいんだけど」

これは戦時中のセリフでもなく、鎌倉の大飢饉で農民の一人が呟いた一言でもない。令和です、令和。しんどさ現在進行形。現代、生きるだけで無理ゲー感ありませんか?

高すぎる税金、低すぎる給料。ちょっと外出中に座ってコーヒーを飲みたいだけなのに、一か月前より2%余分にお金をむしり取られたりする。はい、もちろん持って帰りますよ。

人生はしんどい。
声に出したくないそんな事実に向き合ってきたのが仏教だ。実は2500年前に実在していた釈迦という人も、僕らと同じだった。

釈迦「マジこの世、どう頑張っても無理ゲーなんだけど?」

そう言って、しんどみの原因を必死に考え続け、その末に一つの答え(悟り)に至ってブッダとなり、僕たちのためにそのしんどみの対処法を言い残してくれたのだ。

サラリーマンの人生から「四苦八苦」を探してみる

その一つが「四苦八苦」。四字熟語として、「明日はプレゼンなのに、資料もまだできてないし、こんな切羽詰まった時に限って、上司が『美味い炒飯の作り方』を語ってきて、マジ四苦八苦してるんだけど」という使い方をすることもあるが、仏教用語としてはちがう。四苦八苦とはつまり、

釈迦「人生ではあんなことや、こんなことが起きるけどね、それはもう仕方のないことだから」

ということなのだ。たとえが伝わるかわからないですけど、RPGのゲームで、シナリオ上絶対に負けてしまう敵との戦闘ってあるじゃないですか? それと一緒。
人生で起きるあんな苦やこんな苦を、4つの根本的な苦と、さらに違う視点からの4つの苦、合計8つの苦としてあらかじめ示したものが「四苦八苦」だ。

そして、さすがブッダ。そんな8つの苦は、2500年経った現代でもめちゃくちゃ共感できるのだ。ブッダ、あなた現代に生きてたなら毎回ツイート10万RT越えのトップインフルエンサーよマジで。

ということで、今回はそんな「四苦八苦」のうちの「四苦」をサラリーマンの人生で説明してみよう。実は、僕は僧侶でありながら、新入社員として広告代理店にて勤務した経験がある。サラリーマン兼僧侶の目線から見れば、会社勤めの日常はまさに四苦八苦のオンパレードだったのだ。

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稲田ズイキ

いなだ・ずいき●僧侶。1992年京都の月仲山称名寺生まれで現・副住職。同志社大学を卒業、同大学院法学研究科を中退、その後デジタルエージェンシー企業インフォバーンに入社。2018年に独立し、寺に定住せず煩悩タップリな企画をやる「煩悩クリエイター」として活動中。コラム連載など、文筆業のかたわら、お寺ミュージカル映画祭「テ・ラ・ランド」や失恋浄化バー「失恋供養」、煩悩浄化トークイベント「煩悩ナイト」などリアルイベントを企画しています。フリースタイルな僧侶たちWeb編集長。Twitter @andymizuki
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竹内佐千子

たけうち・さちこ●漫画家。おっかけ対象が男子で恋愛対象が女子のレズビアン。
自身の恋愛体験を描いたコミックエッセイをはじめ、おっかけ、腐女子、などをテーマにしたコミックエッセイを描き続け、最近はストーリー漫画も描いている。
赤ちゃん本部長』(講談社)、『生きるために必要だから、イケメンに会いに行った。』(ぶんか社)など。
ホームページhttp://takeuchisachiko.jp/
Twitter @takeuchisachiko

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