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稲田ズイキ「罰当たりなほどにユルくてポップな仏教トーク」

マインドフルネス、ブロックチェーン……流行りそうなやつは大体トモダチな仏教

坊主なのに煩悩まみれ。
そんな俗世と浄土を行き来する、ユル〜い僧侶・稲田ズイキがお届けする仏教トーク。

前回は、身近にあふれる仏教由来の言葉についてを怒濤のごとく解説しました。
今回は、世界のトレンドに見え隠れするブツブツ頭……そう、ここにもまた仏教が! というお話です。
重大なお知らせもありますので、心して読んでくだされ~!

満を持してはっきり言わせてください。
世の中の大体のトレンドは仏教を知っていればほぼ押さえていると言っていい。

「おいおいどうした坊主、今回はいつにも増して大きく出たな」
そんな声が聞こえてきそうだが、いたって僕はマジ。最先端トレンドの隣にはいつも仏教がいるのだ。誕生から2500年のアドバンテージは伊達じゃない。「あ、あいつね、俺の後輩~~~~」って、めちゃ顔広い謎の地元の先輩のような存在。それが仏教だ。

世間のイメージからすると、仏教といえば古臭いものだろう。たとえ「仏教ってなんかいいよね」と思ってる人も、仏教のことを「おばあちゃんの知恵」くらいに認識している人も少なくないのでは? 
違う、全然違うぞ。仏教はそんな「イナゴの佃煮の作り方」みたいな人生で一回聞いたら十分ってレベルの知恵なんかではない。森羅万象あらゆるもののベースとなりうる、いわば「だし」みたいなものである。この際、かっこよくOSとでも言っておこうか。
そこで、今回はここ数年のビジネストレンドと仏教思想との関係性について説明しよう。
何食わぬ顔で、さっきからいたよ、みたいな感じでトレンド最前線にいる仏教の姿、とくとご覧ください。

大流行しているマインドフルネス、それつまり仏教な!

「できるビジネスマンならやってて当然」ってくらい流行っているマインドフルネス。かのスティーブ・ジョブズや、ビル・ゲイツが熱心に実践していたことで知られ、Googleなどの欧米企業では、会社内のプログラムに採用されていたりもするらしい。

「で、結局マインドフルネスってなんなの?」と聞かれると、「今この瞬間にだけ集中している状態」と答えられるだろうか。
僕らの心の中はさまざまな雑念で満たされている。「もし上司に怒られたらどうしよう」といった、起こるとは限らない未来への不安や、「あ〜YouTube見てるだけで日給300万円もらえたらいいのに」などのザ・煩悩も無意識に生まれ続けている。

そんな散らかった心を整えるために、普段何気なく行っている「呼吸」だけに集中するのが、マインドフルネス瞑想の代表的な例だ。ただひたすら一つ一つ呼吸を数えていく。すると、今ここだけに集中している状態が出来上がる。そうしたいわば「心の筋トレ」を続けていると、普段から集中力が増したり、想像力が増したりする。それがマインドフルネスの効能。ややこしければ『鬼滅の刃』で言うところの「全集中の呼吸」をイメージしてもらえればいい。

そんな大流行のマインドフルネス、言うまでもなく、仏教の瞑想・坐禅から派生したものだ。大きな違いがあるとすれば、その目的。仏教では苦しみから解き放たれるために自分の意識を整えるのに対し、マインドフルネスはあくまで集中それ自体を目的にすることが多い。

まさかブッダも2500年後にここまで瞑想が流行るとは思ってもいなかったのではないだろうか。iPhone、Windowsができたのも、ブッダのおかげなのかもしれない。

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稲田ズイキ

いなだ・ずいき●僧侶。1992年京都の月仲山称名寺生まれで現・副住職。同志社大学を卒業、同大学院法学研究科を中退、その後デジタルエージェンシー企業インフォバーンに入社。2018年に独立し、寺に定住せず煩悩タップリな企画をやる「煩悩クリエイター」として活動中。コラム連載など、文筆業のかたわら、お寺ミュージカル映画祭「テ・ラ・ランド」や失恋浄化バー「失恋供養」、煩悩浄化トークイベント「煩悩ナイト」などリアルイベントを企画しています。フリースタイルな僧侶たちWeb編集長。Twitter @andymizuki
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竹内佐千子

たけうち・さちこ●漫画家。おっかけ対象が男子で恋愛対象が女子のレズビアン。
自身の恋愛体験を描いたコミックエッセイをはじめ、おっかけ、腐女子、などをテーマにしたコミックエッセイを描き続け、最近はストーリー漫画も描いている。
赤ちゃん本部長』(講談社)、『生きるために必要だから、イケメンに会いに行った。』(ぶんか社)など。
ホームページhttp://takeuchisachiko.jp/
Twitter @takeuchisachiko

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