よみタイ

佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

皆さんご注意を! 怪しげな海外通販サイトで買い物をした顛末

海外通販は、よく利用していた。

目指すモノありきの場合、まずはアマゾンや楽天、ヤフーショッピングなどの大手国内サイトで検索するのが当たり前。
でも、販売しているところが海外サイトしかない場合もある。
それに同じモノを比較してみて、海外サイトの方が圧倒的に安かったら、躊躇なくそちらを選択していた。
海外の通販サイトは怖い、だまされる、詐欺が多いなどとよく言われるが、僕の経験では、別にそんなことないんじゃない? 国内サイトと変わらないよ、と思っていた。
最近までは……。

ついに、やられてしまったのだ。
海外の通販サイトを通じた買い物で初めて、強い憤りを感じる出来事があった。
ちょっとその件をご報告したいと思います。

Facebookの画面上に現れる、いわゆるターゲティング広告だった。
当連載コラムのタイトルや先日書いたネタのため、そのワードを頻繁に検索していたからだろう。
僕のホーム画面には『バック・トゥ・ザ・フューチャー』関連グッズの広告が、ちょいちょい出るようになっていた。
その中に、「これは」と思うものがあったのだ。
電磁石の力で空中に浮揚する、『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』仕様のデロリアンの模型である。
動画を使って紹介していたその広告。
台座の上でふわふわと浮かぶデロリアンは、電飾もついていてすごくかっこよかった。

届いたデロリアンの模型を箱から取り出した瞬間の、何とも言えない違和感

磁石の力を使って物体を浮かせる仕組みのインテリアやおもちゃは以前からあるけど、お高いものだというイメージがあった。
絶妙なバランスで浮かせるわけだから、かなり緻密な技術を必要とするのだろう。
しかし僕のFacebookに現れた広告のデロリアンには、58.9ドルという手頃な値段がつけられていた。輸送代も含めて64.89ドル。
「ヘ〜、この手のものもかなり安くなったね」とあっさり信用した僕は、バナーからリンク先の海外通販サイトへと移動し、速やかに購入の手続きをとった。
海外サイトの場合、まず気をつけなければならないのはクレジットカード情報の漏洩だが、そのサイトの支払いはPayPal経由。それも、僕を油断させる要因だった。

そして待つこと数週間。
ある日、我が家のポストに海外の輸送業者からの荷物がねじ込まれていた。
なんだったっけ? と思って開けてみたら、ぺらぺらのビニール袋で簡単に包装されたデロリアンの模型の箱。
小さなポストに無理やり入れられていたので箱は歪んでいたが、中の模型は無傷だったので、目をつぶることにした。

そして本体を箱から取り出した瞬間、僕の頭の中に違和感がみなぎった。
広告で見ていたサイズより、かなり大きい感じがしたのだ。
それにマニアなら一目で分かることだが、注文した『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』のデロリアンではなく、明らかに『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』のデロリアンだ。

まあまあまあまあ。いいよいいよ。
そんなミスもあるでしょうよ。寛大な心で許しましょ。
浮けばいいんだ、浮けば。

で。
これは、どうやって浮かばせるんだ?
箱の中に入っていたのはデロリアンの模型のみで、電磁石の台座的なものはどこにも見当たらない。
模型の方にも通電する仕組みはなく、シンプルなただのミニカーだ。

!!!
ここで、だまされたことに気づいた。
慌てていろいろと調べてみたら、僕の手元に届いたデロリアンの模型は、国内のサイトでも普通に売られているもので、価格は3,800円程度。
僕はこれを輸送費抜きにしても58.9ドルで買わされたので、差額分を搾取されたことになる。
そして僕が注文したはずだった電磁石デロリアンは、日本のサイトではなんと10万円前後の価格がつけられている商品だった。
本物は高いんだ……。
やっぱり、そんなに安いわけないっすよね……。

もしかしたら相手はヤバい輩かも分からないので、うかつに業者名は出さないが、検索してみたらヤフー知恵袋で同社について相談している人がいた。
回答者は、「作成はかなり最近の短寿命ドメイン。このドメイン名は不正なWebサイトでの使用が知られている」云々で「関わらないようにしましょう」と書いている。
くそ! これを先に読んでいれば!

PayPalを通じて業者には返金要求のメールを送付したが、今のところ梨のつぶて
すでにウェブサイトは跡形もなく消えているから、きっとトンズラしたのだろう。
発送元として書かれている住所を検索したら、マカオの少し上の中国の小さな街だったけど、きっとこれも嘘だと思う。

まあこうして冷静に書けるのは、被害額が数千円で済んだことと、送られてきたデロリアンが普通にカッコ良くて、「まあこれはこれでいいか」と諦めることができたからだ。
でも、本当に気をつけましょう。
海外通販サイトには、悪徳業者も潜んでいる。
慎重にどうぞ。

[1日5分で、明日は変わる]よみタイ公式アカウント

  • よみタイ公式Twitterアカウント
  • よみタイ公式Facebookアカウント

よみタイ新着記事

新着をもっと見る

佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

週間ランキング 今読まれているホットな記事