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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

メッシュベルト買うなら、強靭なパラコード製のものがいい

大人の男にとって、カジュアルスタイルにおける理想的なベルトとはどういうものだろうか?
名のあるレザー系ブランドのメッシュベルトは、その筆頭候補に挙がるのかもしれない。
確かにレザー製メッシュベルトは、程よいカジュアル感と大人っぽさが醸し出されるし、スラックスからチノパンやジーパン、それに短パンにまで使い回しできる便利なアイテムだ。

でも僕は、ロッカーズやパンクス御用達の鋲ベルトを長年愛用しているストリートおじさん。
石田純一ばりのお上品なメッシュレザーベルトなんて自分には合わないし、したくもないと思っていた。
誰が何と言おうと、鋲ベルトオンリーでいいと思っていたのだが、先日とてもかっこいいメッシュベルトを発見して購入。
現在、愛用している。

東京・自由が丘のアメリカンテイストなおしゃれ雑貨店・ダルトンで買った、パラコード製のメッシュベルトである。

いざというときはほどいて一本のひもに戻すことができると考えただけでゾクゾクする

パラコードとは、第二次世界大戦中にパラシュート用のラインとして開発され、戦後は軍用のみならず、アウトドアやファッションシーンでも活用されてきた丈夫なナイロンひものこと。
パラコードは一本の長いひもを結んだり編んだりして、様々なものを作ることができることでも有名で、ウォレットコードやキーホルダー、時計バンド、犬の首輪やリードなど、様々な小物やアクセサリーが作られている。
もともと軍用アイテムだから、これでつくったアイテムは無骨でかっこいいのだ。

僕も前に映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015 豪・米合作)の主人公・マックスの真似をして、パラコードでブレスレットを手作りしてみたことがある。
ナイロンひもをひたすら編んで作るパラコードアクセサリーは、いざというときはほどいて、丈夫な一本のひもに戻すことができる、男のためのサバイバルツールなのである。

僕が見初めたメッシュベルトは、太番手のパラコードで作られていて、かなりガッチリしている。バックルも重量感のあるごつい金属製。
このハードさは、僕の好きな鋲ベルトにも通じるものがある。
だって、革ジャンやベルトに鋲を打つ風習はもともと、バイク乗りが転倒の際のダメージを緩和する目的ではじめた、一種のサバイバル思考によるものなのだから。

おそらく、この長さのベルトを作るには、数十メートルのナイロンひもが使われているだろう。
パラコードは、一本だけで数百キロの荷重に耐えられる強靭なひも。
今度、敵に崖の上まで追いつめられたときなどには、ほどいて使おうと思っている。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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