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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

メキシコ生まれのアカプルコチェアで、巣ごもりのクサクサ感を解消!

我が家に以前からずっとある一脚のチェア。
こういうのって家に当たり前のようにあると、その存在を強く意識することはない。
いつも「あるな〜」と思いつつ、深く考えずに座っていた。
そもそもいつから我が家にあるのか。
少なくとも僕自身は買った覚えがないから、多分、妻が選んだものなのだろう。

でも長引くステイホーム生活で、家の中のものに目と頭の焦点が合うことが多くなった。
このチェアに関しても、ここのところ急に気になるとともに愛おしく思えてきて、改めて「君は何者なのかな?」と調べてみることにした。

我が家ではこのチェアを、半インドア・半アウトドアの使い方をしている。
基本はリビングに置いてあるが、天気がいい日は外のウッドデッキで使うのだ。
座面はPVCのひもでできているので、座って体重を預けるとハンモックのようにいい具合にしなって気持ちいい。
風通しがよくて涼しく、濡れても汚れてもすぐに対処できるのでそんな使い方になった。
はからずも、それは大正解だったようだ。

1960年代から使われている万能チェアは、明るいラテンのノリで気分も上がる

ミッドセンチュリーのデザイナー家具のようにも見えるけど、これの正体は“アカプルコチェア”といって、メキシコで1960年代から使われてきた大衆的なチェアなのだそうだ。
当地ではプールサイドやビーチからカフェやレストラン、ホテルのロビー、それに一般家庭にも広く普及していて、まさに屋外でも屋内でも使える万能チェアとして知られているのだとか。

そうなんだよね〜。
外に置くとリゾート感が出るし、部屋の中に置くとラウンジ感が出る。
なかなか優秀なやつだと思っていたんだ、前から。

そうかメキシコ生まれだったのか君は。
なんだか陽気な雰囲気だと思ったら、ラテンのノリだったのね。
調べて納得し、今まで以上に愛着が湧いてきた。
これからもよろしく、アカプル君。

いろんなメーカーが様々なサイズ・色・形のものをつくっていて、お値段もピンキリなアカプルコチェア。
いま妻に聞いてみたら、うちのは「1万ちょっとじゃなかったかな」とのこと。
そして、「今頃やっと良さに気づいたか」という顔をしている妻。

ええ、今さらですとも。
見てよし座ってよし。
あるだけで気分が明るくなるので、巣ごもりでクサクサしている貴方にもおすすめできるものだと思います。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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