2019.4.10
アノラック~ロックカルチャーと結びついたギークなアウトドアウェア
アノラックが好きだ。
アノラックというのは、昔はヤッケとも呼ばれたフード付きアウトドアウェア。普通のマウンテンパーカーやダウンジャケットと違う最大の特徴は、前が全部開いていないプルオーバータイプであること。前が開いていないので、防寒・防風・防水に優れているが、アウターなのに頭からかぶらなければならず、脱ぎ着は若干面倒だ。
現在のアウトドアウェアは性能が高いので、前がジップやボタン留めでも十分に雨・風・寒さを防げる。つまりイヌイットの防寒具を起源とするアノラックは、そうした高性能ウェアが開発される前に成立した、アウトドアパーカの元祖のような服なのだ。
最近、アノラックがトレンドにもなったので、今、僕のクローゼットには冬物2着、春秋物2着、計4着のアノラックが入っている。
普段着のアノラックを着て珠玉のサウンドを奏でたグラスゴーのバンド
アノラック好きになったのは、その昔の1990年頃、パステルズやBMXバンディッツ、ヴァセリンズ、ティーンエイジ・ファンクラブといった、スコットランド・グラスゴーのインディー系ロックバンドを好きになったからだ。ジャンルとしてはネオアコやギターポップにも分類されるそれらのバンドのサウンドは、ちょっと腑抜けたような雰囲気で素朴なポップ。聴いたことがない人は是非この機会にどうぞ。最高だから。
彼らはグラスゴーという寒い土地を本拠としていたことと、音楽に見た目なんて関係ないんだという姿勢を示すため、肩の力の抜けた緩いファッションを好み、普段着のアノラックを着てメディアに登場することが多かった。そのため音楽業界は彼らに“アノラックサウンド”という呼び名をつけた。
アノラックを着ると、誰でもちょっとダサく、オタクっぽい感じになれる。
そこがいいんだけど、この気持ちわかってもらえるだろうか。