2019.4.2
バンドT~Tシャツはアイデンティティとアトリビュートを示すメディア
まったく我ながら、何を言ってるの? というタイトルだ。
好きなアーティストのライブに行くと、必ずバンドTシャツを購入する。何度も観ているアーティストだと、すでに持っているTシャツとデザインはほとんど変わらなかったりするのだが、その時に回っているツアーの地名がバックプリントされているので、やはり買わずにはいられない。
話は突然変わる。
一昨年の春、家族と一緒に富士サファリパークに行った日のことだった。
クレープの行列に並んでいてふと後ろを見ると、「THE BUSINESS」のロゴTシャツを着た、同世代に見える短髪のおじさんが子どもと並んでいた。
THE BUSINESSは、僕の好きなイギリスのバンド。1970年代から長年活動していたオイ!というジャンルの草分け的存在だが、数ヶ月前にボーカルが死去し、活動を休止したばかりだった。
話しかけずにはいられなかった。
「ミッキー、亡くなっちゃいましたね」。
バンドTシャツとは同好の士の心をつなぐもの
一瞬、驚いた顔をした後、彼は口元を緩め「ええ。残念ですよね」と答えた。
その後、二言三言交わしたが、それぞれのクレープが焼きあがったので別れた。
アメリカ人みたいに、たまたま居合わせた人とスッと会話を始めるスマートさに憧れることもあるけど、普段の自分にはとてもできない。
でも、思いがけぬところで出会ったオイ!仲間に話しかけるのは、抵抗がなかった。
いささか古い考え方かもしれないが、ファッションとは自分の属性(アトリビュート)と自己同一性(アイデンティティ)を示すものだと思っている。
特に仲間内の間での流行が口コミで広がるストリートスタイルでは、そういった側面が強い。
何が言いたいのかというと、だからバンドTシャツはいいよねってことだ。