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高橋綾子「綾子のギョーカイ総受けグルメ手帖」

こんなにもおいしくて美しい氷菓子があったとは! 老舗洋菓子店の究極アイス〜ポアール・デ・ロワ 銀座〜

高級宝飾店かと見間違うような外観のポアール・デ・ロワ 銀座
高級宝飾店かと見間違うような外観のポアール・デ・ロワ 銀座

1969年11月、大阪・帝塚山で産声をあげた「POIRE/ポアール」。

店名(フランス語で西洋梨の意味)の由来は、創業者である辻井良朗氏がヨーロッパへ視察に行った時に、当時日本では見かけなかった洋梨に出逢い、その香りの上品さと瑞々しさに感動し、“この洋梨のように圧倒的においしいものを作り続けたい“という心意気で始めたところから。
まだバタークリームが主流だった日本で、クオリティの高い生クリームをメインにした高級洋菓子にこだわり、地元の本物志向の人々を虜にしました。
今でもほとんど変わらぬレシピだというから、創業時から一歩先を歩んでいたのでしょう。

その後、このアイスが誕生したのです。

個体の特徴を生かすため加える甘みや酸味を微妙に変えているそう
個体の特徴を生かすため加える甘みや酸味を微妙に変えているそう

優しい味であること、果物の自然な味を生かすために余計なものは入れない、この理念によって、本物を超える味が作られるのです。

「ポンム」に使うりんごの品種は「陸奥」。
なかなか市場に出ない特別サイズを青森の農家さんに送ってもらい、ひとつひとつ職人さんが手作りします。まずりんごを半分にカット、皮を残して果肉をくり抜いてできた果汁を生クリームや洋酒と合わせて、なめらかで香り高いアイスに仕上げ、皮に戻して冷やし固める。
ホールサイズのポンムを作る時は半分にカットした皮を対にして保管し、丸ごと1個の状態にするそうで、その丁寧さには感服します。

カップアイスも食材の味がストレートに伝わってきます
カップアイスも食材の味がストレートに伝わってきます

今は2代目の社長である辻井良樹グランシェフが陣頭指揮を取っていらっしゃいます。
食材はネット情報や紹介などから実際に生産者を訪れ、自身の目と舌で確かめているそう。

中でもこの「極上プレミアムミルク(1,296円)」と「御抹茶アイス 建都の昔(1,296円)」は究極の逸品。
抹茶のスウィーツを作りたいと京都中のお茶屋さんを回り「祇園辻利」と出逢った。
すべてのお茶を飲み最高峰の抹茶「建都の昔」とコラボすることに決め、試作を重ねたけれど納得のいくものはなかなかできなかったそうです。

最終的に「いいお茶はたくさん使うべき」と、抹茶をふんだんに使うことでお茶のやわらかさとまったりとした甘みが後を引く、“お茶屋を唸らせる”抹茶アイスが完成したのです。

「極上プレミアムミルク」には血統登録証明書が付く
「極上プレミアムミルク」には血統登録証明書が付く

「極上プレミアムミルク」に使っているのは全国から探し出した北海道「みさわ牧場」の牛乳。約23万坪の広大な牧場で有機栽培の牧草を食べて育ったホルスタイン種のスリックちゃんの牛乳は成分バランスに優れており、他の牛の牛乳とブレンドしない“ノンブランド牛乳”です。
生産量は限られてしまいますが、極上という名に恥じない出来栄え。
コンデンスミルク並みに濃厚なのに後味は爽やかな印象という、他に類を見ない味わいです。
こうやって出逢った素晴らしい食材そのものの味を正確に再現しながら、より高みへと昇華させているので、本物を超えるおいしさが作れるのです。

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高橋綾子

たかはし・あやこ●フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレス時代から培った〝食″へのこだわりは、舌の肥えた業界人も頼りにするレベルの高さ。年間1000を超えるという外食の日々が築き上げたおいしいもの好きが嵩じて、ついに2018年2月に東京・下北沢にてレストラン「üchï(うち)」をオープン。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。
Facebook→https://www.facebook.com/ayako.takahashi.1671

uchi→http://uchi.tokyo/

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