2019.8.15
11月にはお鮨屋さんに変わってしまう、おいしい秘密基地 〜くずし割烹おにかい〜
もうひとつの名物は「牛すき(1,480円)」です。
本日は北海道産A5ランクの黒毛和牛リブロース。まずはオリジナルのタレで煮て味を付けます。
器に盛ったら真ん中に卵黄をのせ、「牛すきです」とテーブルに置く。
ひと呼吸して「これからウニをのせさせていただきます」と言った途端、ここでまた歓声がわき起こります。ニクいな〜、この演出。
卵黄を崩してお肉に絡ませ、ウニと一緒にパクっ!
リブロースは本当にとける。嫌味ゼロの脂もとける。濃厚なウニはソースのようにお肉にまとわり、卵黄がウニとお肉を優しくつなぐ。そして芳しい香りが余韻となって残る。
あぁ、至福の瞬間です。あまりのおいしさにお肉はペロリと完食してしまうのですが、余ったタレを白飯にかけたいというリクエストにも快く応じてくれます。
ニラ玉スフレも牛すきもオープン時からの看板メニュー。人気はまったく衰えませんが、他にも旬の食材を使った「お刺身盛り合わせ(1人前1,200円)」「鮎のフライ(500円)」「海老しんじょうのとうもろこし包み揚げ(880円)」や、1階のみやしろの天ぷら、季節の土鍋めしなど、お腹が喜ぶ料理がたくさんあります。
みやしろがある利を生かした「悪魔のおにぎり(1個350円)」や、たい焼き器で焼いたパンの「えび天サンド(880円)」はヤミツキになりますよ。
そして今、おすすめなのが「冷やしおでん」。瓶の中におでんダネと出汁を入れて氷の上で冷やします。
これ、見たら絶対食べたくなるヤツです。
こんなに素敵なお店ですが、最初にお伝えしたとおり、あと1カ月半ほどでお鮨屋さんに生まれ変わります。
握るのは2016年のオープン早々から注目店として名を馳せた中目黒「鮨つきうだ」で2番手を務めている坂本和樹さん。
鮨つきうだの鮨一貫一貫に対する愛情と姿勢はタネの状態、熟成度、温度、タネと酢飯とのバランス、見た目の美しさ、そして空間にまで表れていて、そのクオリティの高さは評判を呼んでいます。
ここで修業し、鮨職人歴13年の坂本さんですから、相当期待できるでしょう。
名物は鮪だそうです。
最高の国産天然本鮪を扱う鮪仲卸「石司」は豊洲市場でもトップクラス。他の仲卸とは一線を画す店内のショーケースに並ぶ鮪はまるで宝石のようだと言われています。
その石司の番頭、中島正行さんの目利きによる鮪をはじめ、アイルランドやボストンなど世界の鮪を提供する予定だそう。
親会社の株式会社MUGENはおにかい、みやしろ、鮨つきうだの他に、炉端焼き屋さん、焼きはまぐり屋さん、焼肉屋さん、毛ガニときんき鍋屋さん、海鮮居酒屋さんをやっています。
おにかいの後なので、どうやら普通のお鮨屋さんにはならない予感。
その辺り、どうなんですかね?
「つきうだと同じく、つまみと握りを交互に出すおまかせスタイルということだけは決まっていますが、内容についてはこれからです。同じ会社に様々な業態があるので、伝統的な鮨の世界を守りつつ、新しいことをやってみたいという気持ちはあります。1階が高級てんぷら店で2階が鮨屋という環境は滅多にないので、2つの技術をコラボしたらすごいものができるかもしれないなとか」と坂本さん。
「この古民家は稀有な存在だからこそ、料理と外観とのギャップに悩まされました。奇を衒うわけではなく、外観と相互作用して良い意味で驚きのある料理を考えたいと思います」と話すのは鈴木さん。
おにかいも次なるお鮨屋さんも、リアルタイムでお客さまの反応がわかるだけにとても厳しい世界。でもおふたりのお店ならきっとこれからもおいしくて楽しい秘密基地であり続けてくれるでしょう。
最後に出す「玉」はスフレだったりして?