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「非公開の店」その3 美人女将のいる大正ロマンな秘密の空間で過ごす魅惑の時間 〜瑠璃〜

仏産のホワイトアスパラのマリネ。キャビアと毛蟹をのせてゴージャスに
仏産のホワイトアスパラのマリネ。キャビアと毛蟹をのせてゴージャスに

こちらは旬を迎えたホワイトアスパラガスのお料理です。

このオレンジ色のソースが“小島流”で、「ザバイオーネ」ってカスタードクリームに似たスイーツをヒントに、アスパラのだしと塩と白ワインを足した塩味で卵のコクのあるふわふわソースにしています。
さらにアスパラの皮で取った出汁のジュレを散らして、アスパラを余すところなく使い切ったひと皿。

シェフの小島瞳さん。シチリアとピエモンテを拠点にイタリアを周り、食べ尽くして帰国
シェフの小島瞳さん。シチリアとピエモンテを拠点にイタリアを周り、食べ尽くして帰国

あぁ〜、もう、なんて“飲ませ上手な料理”なの、小島シェフったら!

ガッツリこってりイタリアンではなく、食材から自然にでてくる塩分やうまみ、甘みを大切にしているので、ワインの香りや味わいを引き立てるのです。

だから料理もワインもすすむ、すすむ。
いわゆる相乗効果ってやつですね。

上から時計回りに「ヴィテッロトンナート ツナソース」、「ピエモンテ産ファッソーナ牛タンのハム サルサヴェルデソース」、「フランス産マグレ鴨と金柑のサラダ」
上から時計回りに「ヴィテッロトンナート ツナソース」、「ピエモンテ産ファッソーナ牛タンのハム サルサヴェルデソース」、「フランス産マグレ鴨と金柑のサラダ」

イタリアの郷土料理が大好きだから、どこまでも掘り下げていきたくなるそうで、「今も郷土料理にハマってます!」とキッパリ。

コースは7,000円、10,000円(3日前までに予約)、13,000円(1週間前までに予約)の3種類と、アラカルトがあります。

扉を開けると目に飛び込んでくるのがこのウォークインワインセラー
扉を開けると目に飛び込んでくるのがこのウォークインワインセラー

魅力その4「大正ロマンを彷彿とさせる高揚感あふれる空間」

エレベーターを降りて何てことない鉄の扉を開けた瞬間からタイムスリップします。

まず迎えてくれるのはウォークインワインセラー。
ワインたちがほのかな灯に照らされて超カッコ良いのです。

もう何もかも素敵すぎる! 応接室ってもしや……?
もう何もかも素敵すぎる! 応接室ってもしや……?

そして右を向くと、「応接」と書かれたなにやら怪しげなドアが。
覗きたくなりますよね。では失礼して覗かせていただきます。

こ、これは!
6人(頑張れば7人)席のシェフズテーブルが!

囲炉裏もあり、どうやら鍋もできそう。
その奥はテラス席になっていて、情緒たっぷり。
これならお忍びデートもできます。

あ、そもそも紹介制だからかなり忍べますね。

こちらはテーブル席です。ステンドグラスやランプシェードがロマンティックなのです
こちらはテーブル席です。ステンドグラスやランプシェードがロマンティックなのです

では忍ばない人用のお席はどうかと言いますと、これがまた妖艶な雰囲気で大正時代のプライベートサロンな感じ。

カウンターは7席、それ以外に4人席のテーブルがひとつ。
ワインにちなんで葡萄をあしらったステンドグラス、器は有田、九谷などの和食器で、ジュークボックスから流れる音楽は竹内まりや、玉置浩二、ユーミン、サザン、井上陽水などなど、懐かしのJ-POP。

ノスタルジックで艶っぽくて、ロマンティックで、どこか背徳感があって、ちょっと非現実的な雰囲気が漂う。

こんなところで口説かれたら、間違いなく落ちますな。

すっかり夜になりましたが、まだまだ帰れない〜、帰りたくない〜♪
すっかり夜になりましたが、まだまだ帰れない〜、帰りたくない〜♪

どうですか、このお店。たまらないでしょ?

残念ながら完全紹介制なので簡単に訪れることはできないけれど、行きたいと言い続けていればいつかきっと叶うはず。

もし秘密の扉を開ける鍵を手にしたならば、ゆっくりと時を過ごすことをおすすめします。

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新刊紹介

高橋綾子

たかはし・あやこ●フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレス時代から培った〝食″へのこだわりは、舌の肥えた業界人も頼りにするレベルの高さ。年間1000を超えるという外食の日々が築き上げたおいしいもの好きが嵩じて、ついに2018年2月に東京・下北沢にてレストラン「üchï(うち)」をオープン。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。
Facebook→https://www.facebook.com/ayako.takahashi.1671

uchi→http://uchi.tokyo/

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