2019.12.7
編集長Mがセレクト! 音楽とファッションとの関係で刺さった「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」7選
山伏とパンクスの意外な共通項。バムフラップは意外と使えるアイテムだ
先述したように「パンク」というタイトルのワードに反応したのはもちろん、これが刺さったのは「バムフラップ」から、「山伏」と「パンク」のまさかの関係性を見出した佐藤さんの独自視点にうなったから!
詳しくは連載を読んでほしいのですが、人間の身体の要素が大きく変わらないなら、ファッションアイテムの形とか機能として必要なものも大きくは変わらないわけで。だから日本の昔のファッションアイテムが、西洋のカルチャーや音楽と絡むファッションアイテムと似たものがあっても当然、なわけです。ちょっとした小ネタとかいろんな歴史を知ることができる秀逸なエッセイでもあるんです。
バンド経験者には必ずヒットする、Marshallの壁掛けキーホルダー
イカ天世代ですよ、こちとら! 「バンドやろうぜ!」なんて雑誌があったくらいの空前のバンドブームだった10代。全国のどこの中学生も、ギター買ってバンドやってたわけです。そんなティーンズにとっての憧れアンプは圧倒的にMarshall! エフェクターとか使わずに、レスポールをマーシャル直結こそ男、ロック! という感じがわかる人も多いでしょう。天邪鬼な私はどちらかといえばローランドのジャズコーラス好きでもあったんですが、当時、そんな高価なもの簡単には自宅用には買えません。
でもおじさんになった今ならば! そんな時に、このタイトルと写真、内容を読んだら、買わないわけにはいきませんよね。ロゴもデザインもやっぱりマーシャルってカッコいいんです。ということで、私、このスピーカー、まんまと買っちゃいました。マーシャルさんからお金もらっていいくらい、このエッセイで売れたんじゃないかな(笑)。
電気グルーヴ~人生とは不思議なもの。僕が垣間見た若き日の彼
そしてラストはこちら。「電気」「卓球」「人生」——この3つの言葉が並ぶとなんのこっちゃ、なわけですが、私にとってはカルチャー面で非常に大きな影響を受けたもの。
いろいろあった今年。その是非は私にはどうでもよいのですが、佐藤さんも書いているように石野卓球という才能と存在は、昔も今も変わらずあのまんまだと言えば、うんうんうなずく同世代も多いはず。音楽はもちろん、私にとって一番面白かった「オールナイトニッポン」は電気だったし、この仕事をして初めての海外取材は幸運にも1999年のベルリンでの「ラブ・パレード」だった。テクノの本場で、150万人の前で堂々たるDJをして熱狂を生んでいた石野卓球の姿は今も忘れられないし、そんなすごいアーティストであることを知らない人にはぜひ知ってほしいな、と思うのです。
以上、いかがでしたか?
完全に、私の私的な青春振り返りオススメになってしまいましたが、でも「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」というタイトル通り、ただ価格や機能とかを紹介するファッション、アイテム紹介コラムではなく、その背景やまわりにある音楽を中心としたカルチャーも絡めてストーリー化してくれている、楽しい読み物になっています。ぜひご一読ください!