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キャリア40年の国際ジャーナリストが伝授。英語力アップにおすすめのメディアとその活用法【大野和基インタビュー 後編】

情報収集も仕事も英語力も、結局「好奇心」が差を生む

――大野さんは旧来的な対面コミュニケーションの重要性を説くのと同時に、取材時には新しい撮影機材や録画機材もたくさん使っていると本でも書いていました。AIを使った資料作成など、最新のテクノロジーも利用して取材方法もどんどん変えてきていますね。

「私は時代に合わせて、使えるものは使います。だって、いまは安くて、あるいは無料に近くて、『ここまで使えるの? コスパ良すぎるじゃないか!』みたいなものがたくさんありますから。たとえば、急きょ取材日程が決まり、どうしても相手の本を読む時間がないときなどに、ChatGPTにタイトルを入れて、いろんな質問すると、一瞬で使える情報がまとまって出てきますからね。それを頭に入れたら、しっかりインタビューもできます。

もちろんAIに丸投げなんてしないですけど、アシスタントとしてのAIはものすごい力があります。アシスタントを雇う必要がなくなります。我々世代の方法も、現在の方法も、絶対に両方あったほうがいいと思っています。だからなんでもまず使ってみますね。その源泉はなにかといえば、好奇心です」

――やはり好奇心!

「はい。好奇心がなければ英語でもなんでも、何も前に進まないじゃないですか。無理ですよね。
僕はよく『え? 大野さん、71歳なんですか!?』と聞かれます。まわりから見ても元気なんですかね(笑)。僕の同級生なんて、みな定年すぎて月に1回、ゴルフ行ってるだけ。 たまに会って『 何やってるの?』と聞いても『やることない』って。僕にしたら『えー!?』ですよ。 だって記事の取材や、単行本や月刊誌、週刊誌など、いろんなもの含めたら、平均すると毎日必ず 3つ 4つの締め切りがあるんですよ。毎日やることがあるわけですから」

――そこに疲れを感じたり、もういいかなとかにならないんですか。71歳になった今も。

「まったくないです。なぜかといえば面白いから。イラン情勢なんかは日々、変わるわけですよね。国際政治や国際問題をテーマとしている僕からすると、ものすごい変化が激しいから、それはやはり面白いですよ。 仕事でのプレッシャーもありますしね。

たとえば、あるメディアから取材依頼が来ます。依頼を受けたら締め切りまでに、その取材のインタビューデータを出さなきゃいけない。 取材相手に連絡します。相手に『いやもう今、イギリスに行ってるし考える時間もない。取材は無理だ』とかって断られます。 そうしたら『1分だけでいいから、これだけ答えて!』とか言って粘り、最終的になんとかコメントをもらう。そんなヒリヒリするプレッシャーの中での仕事も含めて、いろんなことがあって興味や好奇心が尽きないんですよ」

「小3くらいのときに父から 『英語だけはやっておけ。英語をやっていたら世界中どこでも生きていける』と言われていた」
「小3くらいのときに父から 『英語だけはやっておけ。英語をやっていたら世界中どこでも生きていける』と言われていた」

ーー前編でも、英語の短波ラジオ放送を聴いて英文に起こすという、誰に教わったわけでもない独自の英語上達法ついての話もありましたよね。それも好奇心からですよね。ご自身の好奇心の源泉についてはどう思いますか?

「わからないけど、遺伝なのかなぁ。 子どもの時からね、とにかく人に合わせるというか、集団に合わせるのが嫌だったし、好奇心の向かう方に行動していたんですよ。高校の遠足で奈良公園に鹿を見にいくときがありました。僕は奈良に行くことはいいんだけど、鹿を観に行くのは嫌だから、ひとりで奈良女子大学の文化祭に遊びに行ったんですよ。友だちに、もし先生に聞かれたら『大野は奈良女子大の文化祭に行って何時の集合時間には帰ってくる』と伝えて、と言って(笑)。

あと今思えば、英語に関しては父の教えもあったのかもしれないです。父は、戦争で海外に行っているんですけど、その時に英語の L と Rの発音とかやらされたと。 そんな父が僕が小3くらいのときに言ったんです。 『英語だけはやっておけ。英語をやっていたら世界中どこでも生きていける』と。すごい先見の明ですよね。 たぶん父は戦争でアメリカの強さを身をもって知っていたので、今後はアメリカ英語が世界共通語になるとわかっていたんでしょうね」

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新刊紹介

大野和基

おおの・かずもと/国際ジャーナリスト。

1955年生まれ、兵庫県西宮市出身。大阪府立北野高校卒。
東京外国語大英米学科卒業後、1979年に渡米。コーネル大学で化学、ニューヨーク医科大学で基礎医学を学んだ後、ジャーナリストの道に進む。
​以来、国際情勢の裏側や医療問題に関するリポートを発表するとともに、世界的な要人・渦中の人物への単独インタビューを次々とものにしてきた。芸能ゴシップから国際政治経済モノまで、すべてを等距離に置くことをモットーとする。
3カ月で10万部のベストセラー『コロナ後の世界』(ジャレド・ダイアモンドほか、文春新書)、『民主主義の危機』(イアン・ブレマーほか、朝日新書)などの訳書、『つながりすぎた世界の先に』(マルクス・ガブリエル)、『お金の流れで読む 日本と世界の未来』(ジム・ロジャーズ、ともにPHP新書)、『オードリー・タンが語るデジタル民主主義』 (NHK出版新書)などインタビュー・編著多数。
著書に『私の半分はどこから来たのか』(朝日新聞出版)、『日本人だけが知らない世界基準の「質問力」』 (祥伝社)などがある。
公式HP■https://www.kaz-ohno.com/

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