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キャリア40年の国際ジャーナリストが伝授。英語力アップにおすすめのメディアとその活用法【大野和基インタビュー 後編】

英語力をアップさせたいなら『ガーディアン』はおすすめのひとつ

――さきほど「ガーディアン」のことが出たので、その流れで大野さんがおすすめする英語での情報収集法などについてもうかがいたいです。『懐に入る英語』には、多数のメディアを読み、情報だけでなく、そこから新しい語彙や表現を学んでいることを詳細に書かれていました。どんな時間軸で情報のインプットをされているのですか?

「ふだんは夜9時ぐらいから午前2時ぐらいまで寝てることが多いんです。アメリカ(の午後帯)とのやりとりが多くあるから。で、深夜2時くらいに起床した時には『ガーディアン』とか『ニューヨーク・タイムズ』『フィナンシャル・タイムズ』とか、登録しているメディアから最新ニュースのアラートがバッーっと入っています。そこからタイトルだけを見て、今ならイラン情勢など関心のあるテーマの記事を必ず読むようにしています。すべての記事は読みません。

そして、何時から何時までとか、1日何時間は必ず読むなどというルールも決めていません。後から読もうとは思わず、空いた時間に一気に読むことにしています。何事も明確にルールを決めすぎると、しんどいですからね。プレッシャーになってしまうし、それをやることが目的になってしまう。それではダメなんです。

これは大切なことなので本にもしっかり書きましたが、英語力の上達には『コンフォートゾーン』がものすごく大切なキーワードです。いまの快適な状態、つまり『コンフォートゾーン』は人それぞれ違います。僕なら英語で書かれた本を 1日で1冊読めますが、まだ英語力がない方に同じことをしろと言っても無理ですよね。大切なのは、自分の『コンフォートゾーン』を知り、日々そこから少し出るぐらいの強度のことを継続していくこと。それだけで英語力は十分に伸びていきますから」

――なるほど。スキマ時間は必ずありますし、そのくらいなら継続も簡単に感じます。ちなみに、それらを読む方法や場所などは?

「ほとんど自宅ですね。自宅PCのモニターの画面が大きいので、記事の一面が大きく映ります。やはりスマホでは文字が小さすぎますし、多くスクロールする必要がありますから。大きなモニター2台を使い、一方では記事を読み、もう一方ではそこから得た情報をまとめたり、メールを見たり書いたりしていますね。 1日にどのくらい、ですか? 計ったことはないけれど、ならすと平均2時間ぐらいは、そんな方法で情報収集をしているのではないでしょうか」

「英語の勉強でもなんでも明確にルールを決めすぎなくていい。それをやることが目的になってしまうのはダメ」
「英語の勉強でもなんでも明確にルールを決めすぎなくていい。それをやることが目的になってしまうのはダメ」

――大野さんほどの英語力がない我々の場合、それほど速読、多読はできません。そこで、内容的にも英語的にも、まずおすすめしたいメディアがあれば教えてください。

「アメリカではなくイギリスのメディアですが、ナンバーワンは『ガーディアン』ですね。昵懇の仲である作家のトマス・ピンチョンも一番信頼できると言っていましたね。『ガーディアン』は、情報の中身もそうなんですけど、英語の文章も綺麗で、レベルも高いです。コラムも視点が面白く深いです。だから、継続して読んでいくと一番力がつくのではと思います。

『ガーディアン』なら月15ドルくらいからで過去記事検索も含めてすべて読めるはずです。それで生きた英語を読めるなら安いと思いますし、イギリスのメディアだから、アメリカのメディアより、トランプのことに言及する記事には偏見がより入らないと思います。アメリカのメディアなら、『ウォール・ストリート・ジャーナル』かな。コラムだけでも全然違いますよ。『ニューヨーク・ポスト』も面白いけど、少し落ちるかなあ。僕の個人的なおすすめなら『クリスチャン・サイエンス・モニター』。その特集記事は深くてとても面白いです。もちろん最初からすべてに課金する必要もなく、広告を見ることや無料会員になることで数記事読めるようなメディアも多いです。私もそうして使っているメディアも多いですよ」

――紹介されたようなメディアから、まずは自分の興味あるテーマの記事から入っていけば、語彙ふくめて、英語力も上がってくるのですね。

「はい。それに加えて、記事の背景の知識も必要になってきます。イラン問題の記事なら、イラン革命の本を読んだり、やはりイランの歴史をある程度知っているとより深く理解できますよね。 『懐に入る英語』でも、第1章で“文化的背景を知る”重要性について書きましたが、それと同じことです」

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新刊紹介

大野和基

おおの・かずもと/国際ジャーナリスト。

1955年生まれ、兵庫県西宮市出身。大阪府立北野高校卒。
東京外国語大英米学科卒業後、1979年に渡米。コーネル大学で化学、ニューヨーク医科大学で基礎医学を学んだ後、ジャーナリストの道に進む。
​以来、国際情勢の裏側や医療問題に関するリポートを発表するとともに、世界的な要人・渦中の人物への単独インタビューを次々とものにしてきた。芸能ゴシップから国際政治経済モノまで、すべてを等距離に置くことをモットーとする。
3カ月で10万部のベストセラー『コロナ後の世界』(ジャレド・ダイアモンドほか、文春新書)、『民主主義の危機』(イアン・ブレマーほか、朝日新書)などの訳書、『つながりすぎた世界の先に』(マルクス・ガブリエル)、『お金の流れで読む 日本と世界の未来』(ジム・ロジャーズ、ともにPHP新書)、『オードリー・タンが語るデジタル民主主義』 (NHK出版新書)などインタビュー・編著多数。
著書に『私の半分はどこから来たのか』(朝日新聞出版)、『日本人だけが知らない世界基準の「質問力」』 (祥伝社)などがある。
公式HP■https://www.kaz-ohno.com/

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