2026.3.31
「幸せになったら書けなくなる?」又吉直樹と50歳漫画家が本音で語った創作と幸せの関係性
欠落や失敗の先にしか見えない、人間の本質がある
――欠落や失敗からこそ生まれてくるものがある、と。
又吉
でも、世間の人がそんなダメ人間の創作を求めている時代でもないですからね。もっとポジティブでためになる、素敵な自分が共感できるものが求められてるじゃないですか。我々みたいな負のループの創作活動を続けてる人は減りつつあるんで(笑)。だから別に、商売としてダメさを売ってるわけでは決してないんですよ。
ただ、もうそろそろ、ネクストステージに行ってみたい気はしてます。幸せな自分が幸せな物語を書くこともできるかもしれんし、「やっぱダメだった」になるかもしれんし。変化を恐れずにやっていきたいなと思ってます。
中川
今日は僕の漫画の話ばかりになってしまってすみません! 又吉さんの新刊『生きとるわ』を読ませていただいて、その話もしたかったんですが……。

――中川さん、本に大量に付箋を貼ってらっしゃいますね。
中川
せっかくなので、一個だけいいですか。
又吉
はい、ぜひぜひ。
中川
『生きとるわ』を読んで、「人間が“近い”」と思いました。僕は北海道出身なんですけど、北海道の人ってめっちゃ“遠い”んですよ。家と家も物理的に遠いし、人の心の距離も結構クールで。だから大阪の“近さ”に憧れもありつつ、ずっと怖さも感じてるんです。
大阪の人としゃべったりテレビで大阪の人の話を聞いたりするたびに、他人の心にここまで近づく感じは結構怖いな、って。「僕が今大阪に転校したら、めちゃめちゃいじめられる、いや、いじられるんだろうな」っていつも想像してました(笑)。
又吉
たしかに、距離が近いですよね。僕は18歳まで大阪にいたんですけど、大阪の人のいわゆる「我々は大阪人である」って集団の意識みたいなものがちょっと苦手やったんです。一人ひとりは優しいのに、“大阪人”を背負ったときが厄介やな、って。
ただ、大人になってから、その“大阪人意識”ってサービス精神と言い換えることもできるんやと感じるようになりました。「みんな、サービスでやってくれてたんや」って。子どもの頃はそれを受け取れなくて「なんか嫌やな」って感じていたけど、「結局この人たちは優しいんだ」って思ったんですよね。
集団のときと一人のときで優しさのやり方を変えてるだけで。それは今回、大阪を舞台にした理由の一個です。
中川
主人公の岡田が高校の同級生たちとスナックに飲みに行く冒頭だけでも、「こんなん岡田好きやろ」って友達の言い回しとか、常連の定ちゃんとママの「ママ、同じのおかわり」「どれと同じやねん」ってやりとりとか、「あ、すごい大阪だ!」って思いました。大阪の“ツレ”同士の会話の感じだな、って。
又吉
そうかもしれないですね。今回、大阪に行って酒場に一人で繰り出して人の会話を聞くとか、結構やったんですよ。だから、そういう大阪ならではの話法みたいなものが出てたらうれしいですね。
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