2020.12.28
阿波高校(徳島)女子球児の最後の夏。「やっぱり野球が大好き。普通に女子高生しているより青春できていた」
守備が一番のストロングポイント
吉本はこれまでどんな野球人生を送ってきたのか?
「いままでの人生で一番緊張したのは、小学校のときの全国大会決勝です。四番レフトで出ていました。野球を好きになったきっかけは、兄がやっていたから。どろんこになるのが楽しくて。両親は『やりたいことやったら?』という感じで、応援してくれました。小三からやっているけど、嫌いになったことはありません」
周囲のサポートもあり、野球部に入ったときに困ったことはなかったという。
「最初からみんな、優しく迎えてくれました。野球ができる環境を整えてくれた監督や部長に感謝の気持ちを持って野球するようにと考えました。野球ができるだけで幸せでした。
練習試合には出してもらったことがあります。むちゃくちゃ緊張したけど、楽しい気持ちが勝ちました。三振したけど、フルスイングして自分を出し切りました。試合に出たときは、ベンチからめっちゃ声をかけてもらって、練習とは全然違う雰囲気で楽しめました」
部活動ができない自粛期間に何を考えたのか?
「野球ができるだけでもありがたいから、そこでうまくなろうって思って。一緒に練習した子たちと競い合いながら、レベルアップしていった感じです。ボールの持ち替えも速くなったし、足さばきもスムーズになりました。守備が私の一番のストロングポイントです」
愛用しているグローブには「スマイル」の文字が刺繡してある。
「野球ノートの表紙に『勝利の女神』という言葉と一緒に書いているのが『スマイル』です。やっぱり、自分の武器はスマイルなんで(笑)。チームのみんなに少しでも和らいでもらえるように。影響を与えられるようにという意味で。自分から笑顔をつくって、頑張っていきます。私たちにとって、最後の夏は特別なんですけど、特別だと感じさせないような最高の夏にしたいです」
「感謝したいのは誰?」という問いに対して「両親」と答えた。
「自粛期間中にずっとノックを打ってくれたお父さん。小さいころから自分のチームの監督として野球を教えてくれたんで。その恩返しをしたい。お母さんは毎朝早く起きてお弁当をつくってくれて。家に帰っても、めっちゃ笑わしてくれます。そんなふたりに感謝しています」