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阿波高校(徳島)女子球児の最後の夏。「やっぱり野球が大好き。普通に女子高生しているより青春できていた」

吉本の厳しい指摘でチームがまとまった

ほかの部員たちにとって、吉本はどんな存在だったのか? 4人に話を聞いた。

ーー同じ三年生から見て、吉本さんはどんな存在?

岡島 とにかく野球が好きで何事にも一生懸命取り組む選手で。試合でエラーはほとんどしないし、とにかく野球を楽しむ姿勢が見えて、すごくいい選手だと思います。
多田 常に笑顔で、僕たちが硬くなっているときでも、りりかがひとりだけ笑っているので、それでチームが和むっていうか、いい感じになっているんで、笑顔に助けられています。
田中 ふたりが言ったように、常に笑っている選手で、ミスして下を向くことはあるんですけど、ポジティブにポジティブにしていきます。そういうところは見習わなければいけないなって思う。大会には出られないし、なかなか練習試合でも出番がないなかで、僕たちのサポートとかするときに笑顔でいてくれるっていうのは、すごくありがたいんです。
加藤 非常に精神面で強い選手だなって思います。りりか自身も笑顔が武器って言ってますが、それを存分に活かしてチームに笑顔をもたらしてくれるんで、チームになくてはならない存在だと思います。
岡島 野球部に入ったときには先輩とかがいて、かなり緊張しとって。高校野球になったら、けっこうレベル上がるんで、高校で野球を続けるか悩んでいました。公式戦に出られないということがあって、野球をやる意味を見失わないかなと思っていました。
多田 女子が入ってくると思ってなかったんでシンプルにびっくりしたのと、どれだけ野球の技術が上がっても大会には出られないから、やめたりせんのかなと思ってました。
田中 たぶん、りりかは野球がめっちゃ好きやと思うんで、やめないで最後までいてくれてよかったです。
岡島 りりかがバスケ部から戻ってきたときには、覚悟が決まったんやなと思いました。試合に出られなくても、野球をすることがりりかには一番だと。「野球好きやなあ」と思うのは練習のとき。みんなで書く野球ノートの内容を見ても、一番チームのことを考えてくれてると思う。
田中 僕の場合、野球ノートは自分のことばっかりになるんですけど、りりかは自分のことだけじゃなくて、どうすればチームが強くなるかを書きます。

ーー秋の大会で大敗したあとのミーティングで、吉本さんが泣きながら話したことがあると聞きました。

岡島 試合後、キャプテンとして自分なりに負けた原因を分析はしたんですけど、チームメイトにあまり強く言うことができなかったんです。嫌われたらどうしようと考えて。でも、りりかがダメなところを指摘してくれて、僕たちはそれを受け止めて直していこうと思いました。あのときに、強く言ってくれたことがいまの僕たちにつながっています。
多田 りりかがチームのことを考えているのに、自分のことでへこんだりしたら申し訳ないというか、もっとチームのことを考えてやっていこうと思いました。
田中 あのとき、バラバラになったチームがりりかの言葉でまとまって、一致団結できました。
加藤 振り返ってみると、りりかの言葉がなかったら、チームがどうなっていたんかなと思います。

ーー吉本さんを見る目が変わった?

岡島 僕ら男子は適当っていうか、そんな感じなんですけど、りりかはやっぱり女子なんで、視点が違います。全体を上から見てくれるから勉強になるし、成長につながったと思います。

ーー吉本さんは、みんなにとって何?

岡島 やっぱり、勝利の女神っていう言葉がふさわしいと思います。
多田 チームの太陽みたいな感じ。
田中 僕も、勝利の女神。
加藤 僕もそうです。

ーー徳島の独自大会に向けて。

岡島 以前コールドで負けた試合で、りりかに、僕らは全然楽しそうに見えなかったと言われたんで、一生懸命楽しくやることが一番りりかへの恩返しやと思うんで、そういう姿を見せたい。
多田 常に上を向いて明るく楽しそうに試合をしていたら、結果も届くと思うので、楽しくやりたいと思います。
田中 僕ら4人はやっぱり、りりかの分も背負ってプレーしなければいけない。自分たちが楽しく野球をすることによって、りりかの笑顔も増えてくると思う。りりかの分も僕たちが頑張らないと。
加藤 りりかを含めて、チーム一丸となって、とにかく楽しむっていうのが一番だと思う。全員で一丸となって楽しんでやりたい。

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