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書道家・武田双雲さんの100万円の使い道。「爆笑されるほど奇抜な書道具を作りたい」

書道家・武田双雲さんの100万円の使い道。「爆笑されるほど奇抜な書道具を作りたい」

リラックス&エンジョイ 「楽」は人生のテーマ文字

なぜ「楽」の形なのかというと、人生のテーマ文字だから。
今から20年くらい前、27、8歳くらいのときに、自分の人生を一文字に絞ろうと思って、「楽」に決めたんです。
人類を楽しませる、人類をらくにする、自分も毎日楽しくて楽。リラックスとエンジョイが常に同居する、そんな人生にしよう! と。

それからはもう、「楽」をずーっと意識しています。
歯磨きを楽しめているか、ドライヤーをどれだけ味わえているか、お風呂上がりにワクワクしながら体を拭いているか。
例えるならば、イヤイヤ期が終わったばかりの、何もかもに新鮮で一切の不安もない2~3歳児のような心をずっと保ち続けるような感覚。あの「歩くだけで笑っちゃう!」という感覚を忘れずにいたいんです。

「遊びも飽きるまでやりません。そうやって『楽』であり続ければ創作のスランプもなし!」と武田さん。
「遊びも飽きるまでやりません。そうやって『楽』であり続ければ創作のスランプもなし!」と武田さん。

そのためには、とにかく楽しくない時間を1秒も作らないこと。物事をこなさない。どういう状況でも瞬間瞬間を楽しむこと。
これはもはや修行で、なかなか難しいんですよ。服を着替えるときに「ヤバいヤバイ、楽しんでなかった!」とか。
でも約20年間、変態的といえるほどストイックに修行を続けていたら、「楽」が相当うまくなってきました。
エンジョイだけでなく常にリラックスも取り入れるようにしているので、疲れたり、つらくなったりすることは滅多にありません。しっかり8時間睡眠を取っているということもありますが。これも楽であり続けるために大事な修行の一環です。

日々の子育てや仕事は、自分の想定通り事が進まないこともあるものですが、はじめからペースを作らない、思い通りにしようとしなければ、どんな状況も楽しめます。

目標、期待、ペース。そういったものを人生から引き算していって、どこにも向かわない、目指さない、流れるまま目の前のものを楽しむ……。
常にリラックス&エンジョイでいる修行を続けていると、楽しいことしか寄ってこなくなるんです。自分を楽しませてくれる人や物事しか寄ってこなくなるので、ネガティブになって落ち込むこともなくなります。
「楽」に実力は要りませんから、ぜひみなさんも“楽修行”にトライしてみてください。

だから、最初に話した100万円で作るオリジナルの書道具も「楽」の形にしたいですね。楽の硯とか楽の墨とか。
でもこの墨は使えないな……。使えば使うほど消しゴムみたいに「楽」が小さくなってしまうので(笑)。

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新刊紹介

武田双雲

たけだ・そううん
書道家。現代アーティスト。1975年熊本生まれ。東京理科大学理工学部卒業後、NTT入社。書道家として独立後はNHK大河ドラマ「天地人」や世界遺産「平泉」などの題字を手掛ける。ベストセラーの『ポジティブの教科書』など著書は50冊を超える。イベントや講演会への出演も多数。近年、現代アーティストとして創作活動を開始し、2019年アートチューリッヒに出展、2020年には、代官山ヒルサイドフォーラム・日本橋三越、大丸(心斎橋・京都)、GINZA SIX、新宿伊勢丹にて個展を開催し、盛況を博す。
公式ホームページ https://www.souun.net/
公式ブログ【書の力】 https://ameblo.jp/souun/
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