2021.2.2
マー君の顔を思い出す時、エンジと濃紺、どちらの野球帽を被っているだろうか〜田中将大(プロ野球選手)
2006年9月の高校生ドラフト会議で北海道日本ハムファイターズ、オリックス・バファローズ、横浜ベイスターズ、東北楽天ゴールデンイーグルスから1巡目指名を受け、抽選で楽天が交渉権を獲得し、入団。投手として大きな成果と結果を残すも、2014年1月にニューヨーク・ヤンキースと総額1億5500万ドルの7年契約に合意したことを発表。2019年3月のオリオールズとの開幕戦では日本出身の投手として最多となる4度目の開幕投手を務めるなど、大リーグでも活躍した。2021年1月に、古巣である楽天でプレーすることを発表。
日本球界に「マー君」がいなかった8年間は長いのか、短いのか
「まだ」というべきなのか、「もう」なのか。8年という歳月の長さについてだ。
自分自身は8年前とほとんど変わらない暮らしをしているし、8年前に撮影した写真なら「近影」として公表してしまうだろう。一方で8年あれば、生まれた子どもが小学2年生になるということに気づき、その年月の長さに恐れ慄くのである。
そんなことを考えたのは、田中将大が8年ぶりに日本球界、それも古巣である東北楽天ゴールデンイーグルスに戻ってくるというニュースを聞いたからだ。田中は2007年に楽天入団、7年間プレーした後、14年にニューヨーク・ヤンキースと7年契約を結んで渡米した。楽天とヤンキース、同じ年数の在籍となった訳だ。
今回の田中の楽天復帰に関しては、2015年、メジャーの複数球団のオファーを断ってカープに復帰した黒田博樹と比べられることがある。ただ、私の記憶の中の黒田はいつも赤いカープ帽を被っていた(私はカープファンなので、もちろんバイアスはかかっている)。
一方、田中の顔を思い出そうとすると、楽天のエンジの野球帽を被った姿よりもヤンキースの濃紺の帽子姿を先に思い浮かべてしまう。
もちろん田中の楽天での7年間の活躍は華々しく、決して印象が薄かったわけではない。また、本人もTwitterに頻繁につぶやいたり、シーズンオフには日本のテレビ番組にも出演したりするなど、メジャーリーガーとなった後も、我々ファンにとって「遠い存在」になったわけではなかった。にもかかわらず、日本球界に「マー君」がいなかった時間が、とても長く感じられるのである。