2019.2.27
「犬猫の問題行動」はしつけでは直せない!?病気と同じように治療になるケースも。
吠え声やニオイがご近所トラブルに発展
飼い主経験のある人は、犬猫をはじめとするペットとの暮らしで困ったこともあるのでは?たとえば犬が噛んだり吠えたりする、猫が爪とぎをする…など。飼い主を悩ませるこのような行動を「問題行動」と言います。
こうした「問題行動」ですが、家族がけがをしたり室内がボロボロになったりすることもあり、日常生活だけでなく仕事や学業に支障が出るケースも多いのです。犬の無駄吠えや猫のニオイでご近所トラブルに発展する危険性も!家族にとってはかわいいペットなのに、人間社会の嫌われ者になってしまいかねません。
楽しい暮らしを夢見て迎えたはずのペットに悩まされるのはつらいことですよね。まずは飼い主や周囲を悩ませる犬猫の主な問題行動をチェックしていきましょう。
■犬の主な問題行動
・吠える
チャイムの音や来客などに吠え続けること。「チャイム吠え」や「無駄吠え」といわれます。
・噛む
人を噛んでけがをさせてしまうことも。スリッパや家具などの物を噛んで破壊するケースも珍しくありません。
・留守番ができない
ひとりぼっちになるとさまざまないたずらを始めるケースが。吠え続けて騒音トラブルになることもあります。「分離不安」ともいわれます。
■猫の主な問題行動
・トイレ以外で排泄する
トイレ以外の場所で排泄してしまいます。去勢手術をしていないオスは、あちこちに尿をかける「スプレー」という行動をすることもあるのです。
・爪とぎをする
壁や家具で爪とぎをします。設置した爪とぎ器を使ってもらえないと悩む飼い主も結構いるほど。
・人を攻撃する
主に飼い主を噛んだり引っかいたりします。遊びでじゃれるのではなく攻撃行動であることが特徴です。
「しつけの失敗」が原因とは限らない
ペットの問題行動が始まると、飼い主は「しつけに失敗した」「愛情が足りなかった」と自分を責めてしまいます。周囲からも「飼い主がちゃんとしていない」という目で見られがち。これがしつけが原因とは限りません。日常生活の思いがけない出来事がきっかけになるケースもあって、飼い主ではどうしようもないこともあるのです。
さらにペットの病気やストレスによる行動が更なるトラブルのもとになる可能性も!つまり問題行動によって、ペットも飼い主も周囲も、みんながつらい状況になっているわけですね。問題行動が起きる主な原因を知っておきましょう。
(1)体の痛み
病気やけが、老化による痛みで攻撃行動が始まる場合もあります。絶えず痛みがある状態では、ペット自身も不安やいら立ちが強くなるからでしょう。
(2)脳や神経の異常
脳や神経の異常で問題行動が起きる可能性も。たとえばてんかんの発作で急に攻撃的になる症状が出ることもあるのです。
(3)生活環境が落ち着かない
外から物音がしたり人影が映ったりする環境はペットにとって落ち着けません。ゆっくり休める寝場所がないのもストレスになります。
(4)運動不足
健康な犬猫は体を動かすことが大好き。元気なペットは運動が足りないと、別のことで体力を発散しようとします。それが飼い主にとって問題になるケースもあります。
(5)物事に恐怖を感じた
ペットがある物事を怖いと思ったことがきっかけで、問題行動に発展することがあります。たとえば犬の「チャイム吠え」は、チャイムが鳴る→他人が家に入ってくる→怖い→吠える→他人がいなくなる、ということをくり返して定着します。
(6)日用品が好みではない
ペットの排泄や爪とぎの問題は、トイレや爪とぎ器などの素材、場所、ニオイなどが好みではないために起きている可能性もあるのです。
(7)動物本来の行動
犬猫にとっては当たり前の行動(本能や習性)が飼い主を困らせることもあります。