よみタイ

鈴木涼美「○○○な女~オンナはそれを我慢している」
よみタイでの大好評連載「アラサー女がそんなことで喜ぶと思うなよ」(書籍好評発売中)を終えた鈴木涼美の次なるフェーズは、オンナ目線の女性論。ふと見渡せば、耳に目につく、いろんなタイプ・○○○な女たち。女の敵は女じゃないけど、ちょっとどうなの、それでいいの、な現代女性像を浮き彫りに。

SATC女〜男がミスチル聞く感じなのかも、って話

女から見て、この業界の男の人はこういう傾向がある、というのは勿論あって、私は「業界や立場や地方や血液型なんかで人を分類する」タイプの嫌な人なので、そういう話が大好きです。

人の中身って会社名じゃなくない?
ごもっとも。

暴論で決めつけて、純粋な偏見で勝手に組分けすることこそ、淑女の遊び

でも別に人の心に隠れたほんとうの優しさとか小さな傷、なんて他人が酒の肴にして楽しいもんじゃない。

楽しいのは、Bくんのこういうところがいかにも広告業界の男って感じでマジうざいとか、九州出身の男は女をアクセサリーとして見てくるからむかつくとか、そっちの方の話だ。
暴論で決めつけて、純粋な偏見で勝手に組分けする。これぞ淑女の遊び。

だから誰がなんと言おうと、東大の男は派手な下着が好きで、コンサルの男は初デートでピンクのネクタイしがちで、30代の商社マンは指定してくる待ち合わせ場所が独特なのだ。
なんだよ、新丸ビルゴディバの見えるあたりでって。
待ち合わせなんて老若男女古今東西ハチ公前でよろしい。

さて、私のような記憶力がよくて趣味の悪い人間というのは当然男にもいるので、男は男でヤレる大学ランキングをつくるなど偏見と勝手な暴論作りに忙しくて、外資系企業の女はスタバ中毒だとか、不動産系の女は彼氏依存度が高いとか、東大の女より上智の女の方がプライドが高いとか、まことしやかに囁き合う。
で、勝手な組み分けを結構信じてるので「田舎出身なのにがつがつしてない」とか「CAなのにサイゼリヤに行く!」などと勝手なギャップを感じて萌えている。

ちなみに私が今まで聞いた男のつくる勝手な法則性の中で一番面白かったのは、頭の悪そうな、そして実際ほんとに頭が悪いスカウトくんが言っていた「靴の底が赤い女は顔を褒めまくるとヤレる、ミニスカにもスニーカーを合わせてる女は頭のよさを褒めまくるとヤレる」。

後日彼がアルタ前の喫煙所で連れていた女は赤い裏張りの靴を履いていた。ダイアナの…。

で、どこぞの男が勝手な法則性を作って万全の体制でヤレる大学のはずの女を誘って空振りして撃沈していようと、勝手な法則性を破ってきた女に萌え〜としていようと構わないのだけど、最近日比谷の喫茶店で人を待ちつつ仕事をしていたら、横にいる私と同年代の男女がなんとも言えない風情のある会話をしていた。

そういった時に仕事を放棄してしっかり聞き耳をたてる癖、それから彼らの属性を勝手に想像して決めつけて遊ぶ癖が、この歳になっても全然治らない。そっちの方が楽しいし。

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鈴木涼美

すずき・すずみ●1983年東京都生まれ。作家、社会学者。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、東京大学大学院学際情報学府の修士課程修了。大学在学中からキャバクラ嬢として働きだし、20歳でAVデビュー、出演作は80本以上に及ぶ。2009年から日本経済新聞社に勤め、記者となるが、2014年に自主退職。女性、恋愛、セックスに関するエッセイやコラムを多数執筆。
公式Twitter → https://twitter.com/suzumixxx

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