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せきしろ「東京落物百景」
落とし物の数だけ、物語がある――落とされたモノにも、そして落とした人にも。
『去年ルノアールで』『たとえる技術』などの著作で知られる作家せきしろが、東京の街の片隅で、本当に見つけたさまざまな落とし物について考える妄想ノンフィクション。

前回は、摩訶不思議なパーティー用かもしれない「買い物メモ」を発見した著者。今回は、そのメモに沿って落とし物を探してみたようで――

「印かんパーティ」の買い物メモの内容は、落とし物でコンプリートできるものなのか?

前回紹介した、都内の路上で発見した「買い物メモ」がこちら!(写真/ダーシマ)
前回紹介した、都内の路上で発見した「買い物メモ」がこちら!(写真/ダーシマ)

箸とピンチはすぐに見つかったが……。

私はふと思った。

この道に落ちていた買い物メモに書かれているものを、道に落ちているものだけで全て揃えることはできないかと。

とはいえ、今から探し回るのは至難の業であるから、この連載の写真を担当しているダーシマ氏が撮り溜めている写真、そして私が撮影した写真の中からメモに当てはまるものを探してみることにした。

探し始めてすぐに箸の写真を発見した。

食べ物をテイクアウトしたりコンビニで弁当を買ったりした場合、箸は後から袋に入れることが多く、一番上に置かれるので落ちやすいのかもしれない。おかげですぐに見つけることができた。

続いてピンチである。

こちらも難なく見つかった。ピンチを持ち歩くことは少ないから、道にあるピンチはどこかのベランダから落ちたものと推測される。たしかにベランダのピンチはいつの間にか少なくなっていくものだ。台風の後などひとつも残っていない時がある。この落ちているピンチはもしかしたら自分のものなのかもしれない。

次に夜ご飯だ。夜ご飯とひと口に言っても多種多様である。朝食ほどイメージが限定されないからなんでも良いと言っても過言ではない。

そこで弁当とハンバーガーをチョイスしてみた。

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せきしろ

せきしろ●1970年北海道生まれ。主な著書に、映像化された『去年ルノアールで』や、映画化された『海辺の週刊大衆』、『1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった』(共に双葉社)など。また、又吉直樹氏との共著『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』(幻冬舎)、西加奈子氏との共著『ダイオウイカは知らないでしょう』(マガジンハウス)も。
ツイッターhttps://twitter.com/sekishiro

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