2021.6.23
「畑の都合に合わせてメニューを決める」ターブルオギノ・荻野伸也シェフの“ロスゼロ”への挑戦
もっとも捨てられやすい食材は「きゅうり」
先述した通り、家庭の中で一番捨てられやすい食品は野菜。では、野菜の中でも、何が一番捨てられやすいのでしょうか。
ハウス食品が2019年と2020年の7月に行った調査によると、「最近捨ててしまった食品・食材」のトップは、2年連続で「きゅうり」でした。
最新の調査は2021年1月の冬に行われた影響か、1位はみかんでしたが、それでもきゅうりは2位に入り、やはり捨てられやすい食材であることがわかります(「もっとカレーだからできることプロジェクト」より)。
安売りのタイミングできゅうりをまとめ買いをして、使いきれなかったという経験がある人も多いのではないでしょうか。
ロスを減らすためには、どんなに安くても、使う分だけ買うという意識が大切です。
もし、きゅうりがたくさんあって使いきれそうにない時におすすめなのが、「きゅうりの半干し」。
ななめ輪切りにしたきゅうりを、ざるなどに並べて半干し(カラカラではなく少し水分が残っている状態)になるまで干しておくだけ。
それを漬物や炒め物にしていただきます。
料理研究家の有元葉子さんも、著書『「使いきる。」レシピ』(講談社)の中で紹介している方法です。
私はこの方法を知った時、「きゅうりを干す? そんなの美味しいのかしら」と思って、すぐにはやりませんでした。
でも、野菜を作っている身内からきゅうりがたくさん送られてきたので、ものは試しと思ってやってみたところ、なんと、噛みごたえが生のときより増して美味しいのです!
半干ししたものをぎゅっと絞って、ごま油や醤油、砂糖、酢を混ぜたものに漬けると、お酒のおつまみにぴったり。
すごく美味しいので、天気のいい日にまたやろう! って思えます。有元さんの本によると、家の中でざるに広げるのでもいいそうです。
とっても身近で捨てられやすい食材のきゅうり。
これから旬を迎え、スーパーなどで見かける機会も増えますが、買い方や使い方を工夫して、今年の夏はぜひ「きゅうりのロスゼロ」を目指しましょう!
【捨てないコツ】
・家の冷蔵庫や食品庫をのぞいてみて、あるものでメニューを考える。
・まとめ売りがお得でも、使い切れる自信がない場合は、多少割高でも、1本売り、1個売りを買う。
・きゅうりなど、余らせやすい野菜は干してみる。うま味も増すし、日持ちするので安心して使える。