2024.4.15
ケガは整形外科へ【逃げる技術!第13回】治療そして証拠保全を
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警察官達の前で、夫に謝罪する羽目に
詳細は長くなるので省きますが、結果的にわたしは警官達の前で夫に謝罪させられました。どういうわけか夫のほうが「妻を刑事告訴する!」と息巻いて警察署へと向かいました。
警察官には「奥さんにもきてもらう必要があるから、子ども達を起こして一緒に連れていくように」といわれましたが、「二人とも眠っているし、夜中に目が覚めて警察署にいるなんてかわいそうなので、それだけはやめてもらえないか」と頼んで、なんとか許してもらいました。もちろんわたしは告訴されるようなことはしておらず、夫はその後すぐに帰宅したようです。
警察を呼ぶ際は、もしすでに依頼している弁護士さんがいるならば、同時に弁護士さんにも連絡を入れるとよいでしょう(これはわたしの場合ですが、お願いしている弁護士さんから「次もしこういうことがあればすぐに連絡ください。電話ででも弁護士から警察に事情を伝えることができます」といわれました)。
大変な一晩でしたが、それでも警察という第三者に来てもらったことはよかったと思います。それくらい、暴力を振るうかもしれない相手と密室で過ごすというのは恐怖ですし、危険なことです。
暴力を振るわれるなどして警察を呼ぶ際、すでに依頼している弁護士がいればそちらにも連絡を。離婚準備を知られるとパートナーを刺激してしまうこともあるので「弁護士に相談していること」自体を明かすのかどうかも、弁護士に相談しましょう。
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受診時は、問診票にDVについてくわしく書く
さて、整形外科では問診票に「DVがある」「夫ともみ合いになった」と書いておくと、診察室でDVについて口頭であまり説明せずにすみました。
この頃には、すでに実質的にひとり親状態だったため、クリニックにも子ども達を一緒に連れていかざるをえなかったのですが、詳細を聞かせずにすんだのは助かりました。
問診の他にもレントゲンを撮り、可動域の確認などもして、湿布薬と鎮痛剤のほかに、筋弛緩剤(筋肉の張りを和らげる小さな錠剤)を処方されました。
自覚はありませんでしたが、男性との全力でのもみ合いというのは、思った以上にショッキングな出来事だったようです。
筋弛緩剤はそれを和らげるのにとても役立ちました。飲むと全身が興奮と緊張でガチガチにこわばっていたのが解消されたのです。対人トラブルでケガをするのは、転んだりぶつけたりするのとは性質が違うのだ、と知りました。
病院では、恐怖や羞恥心から口頭でうまく説明できないことも。問診票にくわしく書いて。DVが理由にあることを医師に伝えましょう。
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転ばせる、休ませない、無理に薬を飲ませるなどもDV
なお、グーパンチでなぐる、脚でキックするといった派手な暴力だけがDVではありません。
軽くこづく、わざとぶつかる、転ばせる、歩いているときに後ろから靴を蹴る、熱があっても横にさせない、睡眠時間を制限する、本来は動けない状態なのに、仕事や家事をさせるために薬を処方量以上に過剰に飲ませる――これらもDVにあたります。
夫は日常的にそういった行為をわたしにしていました。それらが暴力にあたることは、役所のDV相談員さんに指摘されるまで知りませんでした。
ただわたしはいつも憂鬱で疲れていたのです。いつ夫が怒りだすかわからないため、機嫌を損ねないようにと気を張りつめ、体も緊張していました。
休息をとらせない、病気でも家事をさせる、薬を過剰に飲ませるなども暴力の一種です。
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さて、次回は「教育虐待」について書きたいと思います。
当連載は毎月第1、第3月曜更新です。次回は5月6日(月)公開予定です。
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