2024.4.15
ケガは整形外科へ【逃げる技術!第13回】治療そして証拠保全を
イラスト/藤井セイラ 監修/太田啓子弁護士(湘南合同法律事務所)
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身体的DVによるケガはスマホで撮って、整形外科の受診を
さて前回、通院の大切さを書きました。治療はもちろんのこと、初診日の確定、医師や看護師に話を聞いてもらうこと、セルフケアを通じて自分を大切にしようと思うことなど、DV被害者にとって通院はさまざまな意味を持ちます。
今回は特に整形外科について書きます。パートナーから叩かれたり転ばされたりして、あざやむち打ちになったときには、整形外科にいくのが適切でしょう。
すぐに受診できないときは、スマートフォンで撮っておくとよいでしょう。デジタル写真では肌の色の微妙な変化(アザ)などは写しにくいことがあります。なるべく露出を抑えて(暗めに)撮ると、ケガの具合が比較的わかりやすく見えるようです。
また、物を壊された、投げられたといったときにも部屋やものの様子を写真に撮っておくとよいでしょう。
写真を撮ってもDV加害者がスマホを取り上げて、データを削除してしまう場合もあります。すぐにクラウドに移行させたり、信頼できる友人や家族に即座にLINEなどで送ったりして、バックアップをとっておきましょう。
スマホ端末の中に暴力の証拠となる写真を残したままだと、加害者がそれに気づいたときにさらに暴力をふるうリスクもあります。デバイスにはしっかりとパスワードをかけておく、写真や録音のデータを別に移したあとは端末から削除しておくほうが安心です。
ケガやアザは整形外科を受診して治療と記録を。また写真も撮っておきましょう。DVの証拠になりそうなものは、クラウドなどにアップしてスマホ端末には残しておかないほうがベターです。
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腕をつかまれると、ブルーベリーのように指の跡がついた
わたしが夫と言い合いになり、腕をがっちりとつかまれたときには、彼の指の跡が両腕の内側にくっきりつきました。まるで大粒のブルーベリーのように青い斑点がポツポツと浮かび上がり、それは見事なものでした。絶対的な男女の力の差を痛感し、このまま同居を続けるのは危険だ、と思わされた出来事です。
翌日、友人や弁護士のすすめに従って整形外科を受診しました。
なお、そのときはさすがに危険を感じて警察を呼んだのですが、なかなかつらい体験となりました。男性警官が5名ほど、そして女性警官が1名やってきて、3時間半から4時間ほど深夜まで滞在しました。
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