2024.2.5
子どもの手を引き、高台へ【逃げる技術!第8回 防災編① 】津波から逃げる
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避難訓練の通りに行動した子どもたち
今回、学校や園の避難訓練に対して感謝の念が湧きました。春に担任の先生が変わったときの娘の話を覚えています。「あのね、◯◯先生はとっても優しいんだよ。でも、避難訓練でふざけるのだけは怒るんだよ」
まじめな避難訓練のおかげで、長女は一人ぼっちでもすぐさまテーブルの下に入り、揺れが止まるまではその場から動きませんでした。次女も布団にもぐって「カメさん」のポーズをとり、母親が離れても動かずに頭を守っていました。園の訓練では、「カメさんのように頭を守ろうね」といわれているようです。
この表現は全国のいろんな園で使われているようですので、1歳から6歳くらいのお子さんと避難の話をされるときは、この言い方をすると伝わりやすいかもしれません。
本当に、子どもにとって「真剣に訓練をする」ということはとても大切なのだとわかりました(3学期が始まってから、先生方にお礼をお伝えしました)。身体にその瞬間にすべきことを覚えさせておくことは、とても重要です。今度、わたしも自治体の避難訓練があったらぜひ子どもたちと参加しよう、と考えています。
避難場所がどこかということだけでなく、町内や学校にどんな備蓄品があり、何がないのか、避難所の鍵は誰が持っていて、どこで管理されているのかなど、知っておくべきことがたくさんあるのだと、今回、身にしみてわかりました。
防災訓練は災害時に生きます。避難場所、自治体の備蓄、近所のキーパーソンなどを知るためにも、地域の避難訓練もチェック!
鳴り出した津波警報
揺れがおさまって「よかった」と思ったそのとき、ヴーンヴーンとスマホから大きな警報音が流れました。「津波警報、津波警報」。数十秒置いて、外の防災サイレンからも音が出ました。我が家は川の河口付近にあり、海抜もたった3メートルです。あぶない、とわかりました。
「逃げるよ! 上着だけ着て! 靴履いて!」
と子どもたちにいいました。2人ともぴたっと静かになりました。
玄関で父に「どこに逃げたらいい?」と聞くと「◯◯台や!」といわれました。すぐに逃げる先が確定したのは、非常によかったです。
「大丈夫! ちゃんと靴履いて。お母さん待ってるよ。上着も前しめて!」と子どもたちに声をかけて、わたしは玄関口で2人が靴を履くのを確認してました。子どもですので大人より時間がかかりますが、上着や靴の着方がよくないと転びやすくなるので、しっかり履かせました。
・避難の際は、脱げないように靴をしっかり履く。底が厚いと安心。
・赤ちゃん連れで避難するときは、抱っこ紐を忘れずに。
・ケガ予防や寒さ対策のために、上着を忘れずに。長ズボンがベター。
なお、避難の際に靴や上着にこだわるべきかどうかは、個別の状況(海岸からの近さ、揺れの大きさ、自分1人かどうかなど)によるでしょう。今回、この記事を書くにあたって内閣府の防災情報ページを調べますと、「津波のとき『靴を履いて逃げる』余裕などは、まず、ないと思うべきである」と書かれており、靴を履いている場合ではなく裸足で逃げるのだ、とありました。ただしこの記述は2004年とやや出典が古く、さらに過去のエピソードを元にしているようです。
比較的新しい、NHK高知の防災情報ページでは避難時の服装として「底の厚い靴・・・ガラスの破片などによるけがを防ぐ」と靴を履く前提となっており、それも底の厚い靴を推奨しています。
ケガを防ぐ意味でも、上着(はっ水加工がベター)を着る、夏でも長袖・長ズボンで逃げることがすすめられています。時間的に余裕があれば、身体をなるべく覆うことで、より安全性が高まるようです。
春夏でも、ウィンドブレーカーなど長袖を羽織って逃げれば、ケガ防止になる。玄関(できれば枕元や会社のデスクにも)にスニーカーと羽織物を常備しておくと安心。
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