2023.12.18
DV家出、学校や園への伝え方は?必要なら保険証の手続も!【逃げる技術!第5回】A4・1枚のメモが役に立つ!
夫にはGPSで居場所を把握されていた
そもそも、わたしの居場所は夫に筒抜けでした。
あるとき夫に「ちょっとスマホ貸して」といわれて手渡すと、GPSの設定を変えられたのです。わたしは驚いて「えっ……」といいましたが、夫は「なに?」とジロリとこちらを一瞥したのみでした。
反論するという選択肢は封じられています。それ以来、夫からわたしのスマホの位置情報がいつでも見られるようになりました。
のちに、子どもに持たせたGPSの位置とわたしのそれとを照合して、子どもの安全性向上を図るためだと説明されました。
「セイラちゃんがしっかりしてたらこんなことしなくて済むのにね。うちはお母さんがうっかり者だから、パパはお仕事で忙しいのにこうやってフォローしてあげないといけないんだよ〜。困ったもんだねぇ」と子どもにいいきかせていました。
もちろん、わたしから夫のGPSを見ることはできません。この非対称性、不平等はDVのポイントのひとつです。
位置情報を握られていますから、区役所の福祉課でDV相談をしているときでさえ、ああ、いまここにいることを知られたらどうしよう、と内心ハラハラしていました。
GPSタグやスマホの位置情報で、行き先を管理されていませんか? 過度な束縛もDVの一種です。
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「突然の引き取り」を防ぐためにも園や学校と連携を
ここからは子どもがいる場合にあてはまることですが、区役所福祉課の女性相談員さんにはこういわれました。
「お子さんたち、まだ小さいんでしょう(当時、6歳と3歳でした)。別居にふみきるときは、小学校と園にも事前に連絡しておいてくださいね。
こんなケースがあるんですよ、親子でDVから逃げているのに、校門まで配偶者が何食わぬ顔で迎えにきて『ほら、行くぞ』って。そのまま遠方のそちらの実家に新幹線で連れていかれて、お子さんだけをそこに置いて、あとはおばあちゃんに育児は任せちゃって。家を出た側が子どもに会うのに大変苦労をするっていう・・・」
加害者側がそしらぬ顔で学校や園から子どもを引き取るケースがあるため、あらかじめ学校や園に「パートナーによるDVがあって別居をする(子どもへの虐待の有無も伝える)」「別居後は自分がすべて送り迎えをする。パートナーの引き取りは断ってほしい」とお願いしておくのが大切だというのです。塾や習い事でもそのリスクがありそうなら、同様にお知らせして協力をあおぎます。
このような対応で心配がある方は、ぜひ弁護士さんに相談して下さい。家庭裁判所の「監護者指定調停・審判」という手続もあって、法的解決も考えられます。
子どもを連れてDV から避難する場合には、学校、園、塾や習い事などにも事前に連絡を。
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