よみタイ

【中村憲剛×福田紀彦川崎市長対談 後編】フロンターレと川崎市の取り組みは全国各都市のロールモデルになる可能性もある

川崎市庁舎で行なわれた福田紀彦川崎市長との対談は後編に入ります。
一般的には、よく知らない「市長の生活」についても、2020年に川崎市では3人目となる市民栄誉賞を受賞した中村憲剛さんがズバズバ聞いちゃいます。
そして話題は、2017年に川崎フロンターレが悲願のJ1初制覇を果たした際、5万人が集まったという優勝パレードに移り、将来のことへ—―。

(取材・構成/二宮寿朗 撮影/熊谷 貫)

前編より続く)

福田家の朝はフロンターレの話題で始まる

中村 
福田市長が普段どんな生活をされているのか、そこまで知られてないと思うので、市長の日常について少しうかがってもかまいませんか?

福田  
僕のことでよろしければどうぞ(笑)。

中村 
市長たるもの、毎日いろんなところに飛び回っている印象を勝手に持っているんですけど、週に何日くらい市庁舎にいらっしゃるんですか?

福田  
平日はここ(市庁舎)にいることがほとんどです。土日はコロナの状況にもよりますが、コロナ前や、感染者数が落ち着いている時期ならばイベントなどで外に出ていく感じですね。毎日いろんな人に会っていますし、自分で言うのもなんですが、ありがたいことに忙しくさせてもらっています。

中村 
それだけ忙しいということは、人には言えないストレスもあるんじゃないですか?

福田 
憲剛さん、鋭い(笑)。

中村 
そういったときはどういったことで、ストレス解消をするのですか?

福田  
僕は朝にシャワーを浴びるのが日課なんですが、そこでちょっと大声で叫んでみるとか(笑)。結構、ストレス発散になりますよ。

中村 
それは衝撃的なエピソードですよ。なかなかの解消法ですね(笑)。

福田  
コロナの状況が落ち着いている場合なら、仕事が終わった後、プライベートで市内の地元のなじみの居酒屋さんに顔を出してちょっと飲んだりもしますね。店の方から「なに? 市長、暇なの?」みたいに聞かれるんですけど、いやいや、暇ではまったくないですよ、と(笑)。

中村 
市長、そのエピソードもなかなかですよ(笑)。やっぱりいろいろとご苦労があるんですね。

福田  
ありがたいのは日常のなかにフロンターレがあることですね。我が家の朝は大体、フロンターレの話題から始まるんですよ。シーズンオフの今の時期なら、この選手が新しく入ってきたよとか離れてしまったとか移籍の話ですね。妻がフロンターレ情報をいつも更新してくれるんです。

中村 
なんと! 奥さまが情報をチェックされているんですね。

福田  
フロンターレに対する妻の熱の入り方は結構すごいと思いますよ。最近のシーズンは負けることがあまりないですけど、負けてしまうとショックを受けて食事が出てこないこともあって(笑)。そういったときは私がつくります。料理は好きなので全然構わないんですけど。だから、フロンターレには地域をつなげてもらっているだけじゃなくて、家庭までつなげてもらっているので本当に感謝しています。

中村 
すごい! まさか福田家もつなげているなんて(笑)。

1 2 3

[1日5分で、明日は変わる]よみタイ公式アカウント

  • よみタイ公式Facebookアカウント
  • よみタイX公式アカウント

新刊紹介

中村憲剛

なかむら・けんご●1980年10月31日生まれ、東京都出身。中央大学卒。
2003年、川崎フロンターレに入団。20年の引退まで同チーム一筋のレジェンド。Jリーグベストイレブン8回。16年にはMVPも受賞。日本代表国際Aマッチ68試合出場6得点。10年南アフリカW杯、出場。最新刊『ラストパス』は現在4刷で話題。
公式ブログ■中村憲剛オフィシャルブログ
公式X@kengo19801031
公式インスタグラムkengo19801031

福田紀彦

ふくだ・のりひこ
1972年4月20日生まれ、川崎市出身。米国ファーマン大学卒。
2003年、神奈川県議会議員に最年少で初当選。13年、2度目の挑戦で川崎市長に初当選。21年、歴代最多得票で3選を果たす。趣味は料理。妻、長女、長男、次男の5人家族。
公式サイト■https://fukuda-norihiko.com/
公式ツイッター@fukudanorihiko

週間ランキング 今読まれているホットな記事