2022.11.23
パンツを穿いた土偶とDNA
土偶はこれからどうやって生きていけばいいのかと考えた。埴輪のほうがしゅっとしてスタイルがいい。その点、土偶はどっしりとしていて迫力がある。下半身に重心があるのが、私との共通点のようだ。土偶は人の形ではなく、植物や貝の形を模しているという本も読んだけれど、ずんぐりしているのには変わりはない。土偶のモデルは何であれ、土偶なりに生きていくしかないのである。
そして体型をカバーするための、着衣がとても大事なのも再認識した。和服は形が同じなので、色や柄でカバーするしかないが、洋服はやはりデザインが大切なのだ。しかしいくらがんばったとしても、土偶はバービー人形にはならない。真っ裸で外を歩くわけでもないし、自分は土偶という意識を持ちつつ、堂々と生きていけばいいのだ。
私の知人のなかには、容姿をとても気にする人もいる。そういう人たちは、もとからスタイルがよくて美人が多い。母親のスタイルのよさを、まったく受け継がなかった私は、体型の変化があっても、失うものが何もなかった。もちろん二十代から中年、そして高年になると、現実を目の当たりにして、
「あらー」
とびっくりはしたが、まあ自然の成り行きだから仕方がないで済ませてきた。努力もしなかった。その結果、二十歳の頃と比べて、体重は一~二キロしか増えていないのに、遮光器土偶に至った。重力のすごさを痛感するしかないのだが、何もしなかった自分に後悔はしていない。